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院長日誌

2008.02.24 講演活動 Universita di Ferrara

昨年、イタリア国立フェラーラ大学歯学部矯正学講座から非常勤教授を拝命され、Mastersや Professor達を相手に講義をするために、2月21日、Ferrara Universityに行って参りました。
フェラーラ大学と言っても日本では御存知ない方が殆どだと思いますので、まず簡単に紹介したいと思います。
フェラーラ大学というのは、歴史を遡れば1392年に設立された、イタリア全土で2番目に古い、由緒正しい大学です(イタリアで一番最初に設立されたのは Bologna大学です)。


帰る朝、P.TTA DEL CASTELLOにて、、、モデル立ち!



イタリアの教育システムは、日本の 6-3-3-6(医科・歯科)とは異なり、Elementally schoolが 5年、 Middle schoolが 3年、High schoolが 5年、そして Dental schoolが 5年です。
18年間の教育を終了して、歯科医師国家試験に合格すれば歯科医師として働くことが可能になりますが、イタリアの歯科大学は全て国立ですから、イタリアで歯科医師になるということ自体、並大抵の事ではなく、イタリアの大学に入れないので、他国の大学に行くという人もいるそうです。
晴れて歯科医師免許下附となっても、矯正歯科専門医になるには、そのあと3年間の矯正専門の研修を積みます。
さらに上を目指して研鑽を積みたい先生は、1年以上の Master courseを履修します。
日本には現時点で 29校の歯学部が存在し、1学年の学生数は大学によって異なりますが、少ない大学では1学年約 40名程度、多い大学では 120名程度(間違っていたらごめんなさい)の学生が歯科医師を目指して勉強をしていますが、イタリアでは大学数は日本とほぼ同じであるものの、学生数は極端に少なく、例えば Ferrara Universityでは1学年16名(!)です。(ちなみに人口は日本が1億2700万、イタリアは5800万人です。)
どうりで、20年ほど前に C.H.Tweedの courseを Arizonaの Tucsonで受けた時も、イタリア人はたいへん優秀でした。

舌側矯正は1970年代半ばに debutし、現在 30余年が経過しました。
矯正治療の盛んなアメリカでは、国民性からか舌側矯正は殆ど行われていませんが、アジア・ヨーロッパでは非常に盛んに行われつつあります。
臨床に一生懸命なだけでなく、臨床を裏付け、サポートするための researchも In vivo, In vitro, Microscopic, pathological etc.、非常に多岐にわたって行われています。

日本の舌側矯正事情は後述するとして、現在、ヨーロッパの矯正歯科をリードするのは、フランスでは Paris V大学、ドイツでは Munster大学でしょう。
これらの大学はまさにヨーロッパだけでなく、世界中のThe Best of the Best、なぜなら舌側矯正は矯正歯科界の中でも頂点であり、モータースポーツで言えば Formula 1の世界です。
そんな凄い世界に、舌側矯正専門の Master courseが Ferrara大学に設立され、自分の約 20年間の舌側矯正に対する努力と治療のクオリティが認められ、非常勤教授として招かれましたので、僭越ではございますが、少しでもお役に立てればと思い、行って参りました。

留守の間、診療室を閉めなければならないし、飛行機代も少ししか出ないし、、正直困ったのですが、断るわけにもいかないので、講義の前夜にイタリアに到着し、翌朝から日没まで1日講義を行い、その翌朝に帰路に着くという2泊3日の、まるで弾丸トラベラーのような強行軍でした。

着後、Professor & Chairmanの Dr.Giuseppe Sicilianiと他の名高いProfessor達が Dinnerに招待してくれました(写真を撮る雰囲気ではなかったので、写真が無いのが残念です)。




宿泊は Ferrara大学から歩いて3分ほどの所にある4つ星ホテル、Hotel Principessa Leonaraを大学が用意してくれました。
このホテルは、これまた16世紀に設立された由緒正しき歴史的価値のあるホテルです。
最近の中●系資本のゴージャスホテルのように1泊5万も6万もする不当に高いホテルではありませんが、Private Gardenを備えた、静かでゆっくりとくつろげる素晴らしいホテルでした。


講義はこの部屋で行いました。
大学がまた歴史的建造物で、素晴らしい建物です。


お昼休みにシシリアーニ教授が大学の診療室を案内してくれました。診療室では8台のユニットが個室形式で配置されていました。

私の講義は、舌側矯正の歴史、インダイレクト・ボンディングの歴史、最新のマテリアルを使った Hiro systemのprocedureと、他の Indirect Bonding Systemとの比較、European Board of Orthodontistsの試験に提出した舌側矯正8症例の紹介、若年者(Low teen patients)に対する舌側矯正、さらに Lingual Straight Wire Appliance等について詳細に説明し、講義を行いました。
シシリアーニ教授からSTbについて聞かれ、「私は50症例ほど治療したが、今は使っていない」と、正直に言うと、顔色がかわりました、、(やべえ、、でも、嘘をつくよりイイかな、、。)。
他にもいろいろ話したかったのですが、時間切れでお見せすることが出来ませんでした。
やはり20年間を1日で話すのは無理です。


講義終了後、感謝状を頂きました。
向かって左の背広を着ているのが Professor & Chairmanの Dr.Siciliani、右のセーターを着ているのがProf.Scuzzoです。

その夜は Residentsと数名の教授達が晩御飯に連れて行ってくれました。
Pizza専門店で、みんなワイワイガヤガヤ、楽しいひとときでした。

僕の左側に座っているのが、イタリアの舌側矯正学会(Associazione Italiana Orthodonzia Linguale)の会長のDr.Lucci、右側の女性は、僕がEBOの試験管であり現 EBOの会長である Dr.Moserのすぐ近くで開業しているDr.Ganthallerです。


勉強する時・仕事をする時は一生懸命真剣に、ひとたびオフタイムとなれば、陽気で楽しい人達です。

翌朝、帰る支度をしたあと朝食を取りながら教授と話していると、イタリアの矯正歯科事情について話してくれました。
全く矯正のトレーニングを受けていない先生が1泊2日の矯正の講習会を受けただけで、矯正のブラケットを購入し、翌日から患者さんに矯正治療を勧める。
ホームページには舌側矯正の写真を掲載し、それを見た患者さんが舌側矯正を希望すると、舌側矯正はやめた方が良い、という先生はまだましなほうで、出来ないのに手を出して大変な結果になって泣きついてくる患者さんが後を絶たないそうです。
う~ん、日本と全く同じだ、、。
今や、治療を受ける側が選球眼を持たないといけない時代なんですね。

ひろ矯正歯科では、外側から治療するか、裏側から治療するかは全て患者さんに決めて貰っています。
ホームページを見て、舌側矯正をしたいから訪ねて行ったのに、いざ先生に舌側矯正希望である旨を話したら、あなたは例外的に無理だと言われて外側の治療になってしまった、ということはありませんので、ご安心下さい。



帰りの当日、朝食をすませて1時間ほど近所の散策に出掛けました。
ヨーロッパの街には至る所にこうゆう広場(Piazza)があり、憩いの場となっています。
P.TTA DEL CASTELLO前のPiazza Treno Triesteでは朝市をやっていました。





朝食は、こうゆうホテルではタダの事が多いのですが、このボローニャ・ソーセージといい、パンといい、とっても美味しいです。

Bologna空港からFerraraまで高速道路をカッ飛んで約1時間ですが、行きも帰りも大学の方が送迎してくださり、助かりました。


成田はポカポカの春のような陽気で半袖でしたが、松本はものすごい吹雪でした、、とほほ。

プロフィール

院長

長野県松本市在住

  • 1960年生まれ

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