ひろ矯正歯科では、インターネット相談室という形で、他医院で矯正治療をしているが困っているという方や、セカンドオピニオンが欲しい方などの相談にお答えしています。
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2024/07/12 10:11 [xxx.183.236.157]
ネコさんへ
こんにちは、お困りのようですね。
先生によって考え方や治療方法が異なるので、その先生のやり方が良いとか悪いとかは言えませんが、反対咬合で重要なのは、
1,遺伝的要因があるかないか
2,現在骨格的なズレ(skeletal discrepancy)がどの程度であるか
3,性別と年齢
4,現在の成長段階はどの段階で、成長のピークはいつ頃か
などなどです。
先生によってやり方は様々だと思いますが、私は、上顎の前歯が4本生えた時点で反対咬合になっているのであれば、まずは被蓋改善、つまり、リンガルアーチで上顎前歯を唇側に移動(現時点で唇側傾斜していても被蓋改善のために行うことが多いです)、下顎はチンキャップで成長抑制をすることが多いです。
非常に稀に上顎前方牽引装置を使うこともありますが、骨格の問題改善はあまり期待できないことが多く、前方牽引をする場合はチンキャップと併用して使うのが良いと思います。
さらに、1年に1回は側貌頭部X線規格写真を撮り、上下顎関係と、下顎の成長方向をチェックしてゆきます。
反対咬合では思春期成長の時期に下顎が成長し(女の子であれば11才前後、但し個人差はあります)、骨格性の要素が強い場合には、晩期成長(late growth)と言って、17才を過ぎても下顎の成長が続くことがありますので、中学生になったらチンキャップは効かない、とは一概には言えないと、私は考えます。
拡大に関しては、上顎歯列が狭窄していて、臼歯部が交叉咬合になっている場合は拡大しますが、私は殆ど使いません(出来ないのでは無くて、急速拡大の必要な患者さんが少ない、ということです)
2期治療の開始時期に関しては、側貌頭部X線規格写真と手根骨の写真をチェックしてゆき、それによって開始時期が変わってきます。
骨格的に安定しているようであれば13〜14才位で始めることもあると思いますが、下顎の成長が思わしくないようなら、17〜18才、下顎の成長が落ち着いてからになることもあります。
後者の場合には、チンキャップはそれまで継続することが多いです。
私の意見としては、「ガタガタしてた方が逆にいい」とは思いませんが、だからといって、歯を配列させることを目的としたアゴの拡大は避けた方が良いと考えます。
その先生の言うことが間違っているとか、私の言うことが正しいということはありませんので、お困りでしたら他の日本矯正歯科学会の臨床指導医の先生のところに相談に行かれた方が良いと思います。