アテネから帰って休む暇も無く、7月17日は日帰りで大阪に行って参りました。
大阪大学吹田キャンパスで開催される第58回近畿東海矯正歯科学会例会に出席するためです。
物凄く広大な阪大吹田キャンパス
長野県の先生達は、現在は甲北信越矯正歯科学会に属しますが、私が大学を卒業し、矯正科に入局した当時は、甲北信越矯正歯科学会はまだ発足しておらず、近畿東海矯正歯科学会に属していました。
甲北信越矯正歯科学会が出来た時点で、近畿東海矯正歯科学会は辞めても良かったのですが、近畿東海矯正歯科学会は、大阪大学の力でしょうか、学会雑誌や例会の内容が結構アカデミックで勉強になるので、退会せずに会員資格を継続してきました。
今回わざわざ大阪大学まで出向いた理由は、日本矯正歯科学会ホームページ倫理規定についての講演を聴くためです。
同様の演題は、日臨矯会長の富永雪穂先生が、7月3日に甲北信越矯正歯科学会で講演されていますが、自分はESLOでアテネにおり、聞くことが出来ませんでしたので、大阪に出向いた次第です。
日矯学会倫理規定に関する講演の要旨、つまりホームページに記すべきではない語句や内容の要点を以下に箇条書きにします。
1, 「ブライダル矯正」、「スピード矯正」、「プチ矯正」などの学術的に不適切と思われる治療法や装置の名称
2, 「只今キャンペーン中につき、●%割引」
3, 「100%確実」、「絶対確実」
4, 「矯正専門医だから安心・安全」
5, 「他医院での装置は無料で取り外し致します」など、患者を勧誘するもの
6, 「都府県知事指定顎口腔機能診断施設」など、特別に指定を受けたものであると誤解を招くようなもの
7, 「○○矯正歯科研究所」とか、県名・地域名を含み、誤解を招くようなもの
8, 薬事未承認の薬物、材料、医療機器、治療法に関して、その名称、製造方法、効能・効果または性能に関しての広告を行っているもの(特にホワイトニングや、虫歯の予防薬剤、インプラントなど)
等々です。
こうゆう語句を使ってあるホームページの歯科医院は、歯科医師としての自覚に問題があると思います。(一般歯科で矯正も標榜している歯科医院に多く、矯正専門の医院ではあまり見られないそうです。)
このような歯科医院の治療レベルは推して知るべしでしょう。
患者さんの皆さんは、主治医を選ぶ際の参考になさって下さい。
歯科医師過剰で、経営の苦しい歯科医院が多いそうですが、医療は商売とは違います。
医療人として守るべきルールを守らず、医師としてのモラルが欠如している先生が非常に多いように感じます。
先日、ひろ矯正歯科に初診相談でいらっしゃった方は、子供が一般歯科でアゴを拡げる治療が必要だと言われたが、本当に必要でしょうか、と、セカンドオピニオンを求めて来られました。
患者さんは 6才の男の子で、お口の中は、まだ6才臼歯は1本も生えておらず、歯列も狭窄していません。
拡大の必要など全くありません。
成長発育の基本的な知識も持たず、この時期で拡大を勧めるなどとは、一体その歯科医師は何を考えているのかと、憤りさえ覚えました。
お母さんには、その年齢で拡大治療など不要であること、拡大が必要なのはどうゆう場合か、アゴの発達と成長のピークについて、拡大の危険性、今後はどうしたら良いか等々を御説明致しました。
私達医師・歯科医師は、患者さんの疾病を治療をして診療報酬を頂くのであり、お金欲しさに必要の無い治療・間違った治療を受けさせて患者さんを食い物にするなどとはとんでもないことで、こんなデタラメな歯医者は歯科医師免許を取り上げて欲しいと思います。
近東学会で講演を聴いた後は、うちの長男に連絡をとり、前から行きたかった Dancing Crabで食事をしました。
机の上に大きな紙を敷いて、その上に直接料理をぶちまけて食べます。
じつは、うちの長男、この春 大阪大学の歯学部に入学しましたので、大阪におります。
全国で50余名の狭き門、オヤジは馬鹿だが、子供はよく頑張ったと喜んでいましたが、入学して半年、大学生活も楽しいし、友達も一杯出来たけど、幼い頃からの夢である映画の道がどうしても諦められないから大学を休学したい、とのこと。
自分の人生、自分の好きなように生きれば良いよ、と話し、現在休学して映画に打ち込んでいます。
ただ、人生の先輩としてアドバイスをするならば、「学歴やライセンスは機会を逃したら取れない」、そして、「一度逃したチャンスは、二度とやって来ない」ということです。
日本一の阪大歯学部で勉強させて貰える人は、毎年日本中で50名程度しか居ないので、大切に!
ひろ矯正歯科の患者さんにも、受験を控えている方が多いです。
夏休みが終わって、追い込みですね。
目標を少し高く持って、頑張ってください。