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院長日誌

学会・セミナー

  • Luxembourg & Paris

    2018.01.12~13、ドイツの舌側矯正専門の学会である Die Deutsche Gesellschaft für Linguale Orthodontie (DGLO) の第12回学術大会が Luxembourgで開催され、DGLOでの講演に加えて、学会のPre-congress courseの講師と、さらにDGLOの後、パリ大学での講演を頼まれましたので、有り難く受けさせて頂きました。
    このブログは1月中にアップするつもりだったのですが、忙しくて今頃になってしまいました、、。

    ルクセンブルクは親友Dr. Germain Beckerの母国で、彼はルクセンブルクに5つ、ドイツに1つの矯正専門のオフィスを展開しています。
    Germainは、過去には日本舌側矯正歯科学会日本矯正歯科学会で来日していますが、自分は Luxembourgには行ったことが無いので、今までにCEOなど、幾度となくお誘いを受けていたのですが、どうしてもスケジュールがあわず、伺うことが出来ずじまいでした。
    今回も1月の末〜2月の頭にかけてアメリカに行かなければならないのですが、どうしても Luxembourgと Parisに行かないとけない旨を会長に説明し、了解を頂きましたので、ようやく行くことが出来ました。

    ○○大学教授とか、日本△△学会会長などの立派な肩書きあれば、海外の学会から飛行機代+ホテル代+講演の謝礼つきで招待されるのは珍しいことではないのですが、私のように何処の大学にも属さず、さしたる肩書きも無く、人口たかだか6万人の片田舎で開業している者が毎年毎年海外の学会からこのように呼んで頂けるというのは本当に有り難いことですので、与えられた機会には出来る限り応えるようにしていますが、現地での学会が3日間でも、移動と時差を含めると1週間は休診にしなければならないので、いくつかは御辞退申し上げている状態です。

    現在所属する学会も、貴重な時間を割いて参加しても得るものが殆ど無いとか、政治色の強すぎる学会は暫時退会することにし、自分に本当に必要な学会のみに絞り込みをかけている今日この頃です。

    1月10日、HNDからANACDGに向かい、CDGからは TGVLuxembourgに向かいます。
    Luxembourgでの宿泊先は学会場の Hotel Royal、列車、タクシーを乗り継ぎ、深夜にホテルに到着しました。

    翌日は特に予定はありませんので、Germainが彼の5つあるうちの2つのオフィスに案内してくれました。

    ドイツを含めた 6つのオフィスは、9名の矯正専門医、約40名の歯科衛生士やアシスタントなど(事務のみを専門に行っているスタッフだけでも数名)で運営されており、現在、Germainは現役から退き、彼の息子さんである Jean-Philippeが総責任者となって矯正治療からスタッフマネジメント、経営のマネジメントなど、全てをコントロールしています。
    アポイントはオンラインで取ることも出来、全体のシステム、データー管理等々、全てが素晴らしくマネジメントされていました。(うちのアポイントも、ホテルの予約のようにオンラインで患者さんが自分で出来るようにしたいのですが、、大きな問題が起きないか現在検討中です。)


    当然、セミナールームもあり、患者さんやスタッフへの勉強会などがいつでも可能です。


    ここはもう一つ別のオフィスです。

    そんなに大勢のスタッフを抱えていたら、入れ替わりのたびに1からトレーニングしないといけないから大変じゃないか、と聞くと、スタッフも定着しているとのことで、羨ましい限りです。
    日本ではちょっと気に入らないとすぐに辞めて行く人が多く、就職しても1ヶ月未満で辞めて行く新社会人が社会問題になっていますが、最近では医療スタッフにも同じ傾向が見られ、あろうことか、医師や歯科医師までもが治療中の患者さんをほったらかして勝手に辞めて行くという、何とも無責任な信じられない事例があちこちで見られます。
    特にこの神奈川県立がんセンターの重粒子線治療室の件は、人の命を救うのが使命である医師が、治療中の患者さんをほったらかしにして次々と辞職したため、陽子線治療を受けていた癌の患者さんが治療を受けられなくなるという、まさに前代未聞、非常識極まりない話です。
    人の命を何とも考えず、こうゆう非常識かつ無責任なことを平気で行う者は、医師の資格なし、医道審議会にかけて医師免許停止ないしは剥奪すべきであると思いますが、皆さんはどう思われるでしょうか、、。

    Germainのオフィス見学のあとは、市内観光に連れて行ってくれました。
    Luxembourgは面積は小さいけど裕福な国で、労働者の40% は毎日 Luxembourgの国境を超えて周辺諸国から通勤しているとのことです。

     
    忙しい中、案内をしてくれて、本当に感謝です。

    翌日、学会の Pre-congress courseは、故 Alain Deckerの愛弟子である Dr.Guillaume Lecocqと私の2人で Wire bending courseを行いました。

    歯科界では digital化が著しいのに、何故、今 Wire bending なのか、、と思う先生も多いと思いますが、、。

    一般の方向けに虫歯の治療を例に挙げてみますと、
    通常の治療では、
    1, 歯を削り、
    2, 印象材で歯型を採り、
    3, 印象に石膏を流して歯型の石膏模型を作り、
    4, 石膏模型を咬合器に装着し、
    5, ダウエルピンを立てて、
    6, 治療する歯の部分を分割し、
    7, 削った歯冠部分を蝋で形成し(ワックスパターン)
    8, ワックスパターンにスプルーを立てて、
    9, ワックスパターンを鋳造リングに埋没剤で埋め、
    10, 炉で焼却し、
    11, そこに溶かした金属を流し込んで鋳造し、
    12, 研磨し、
    13, コンタクト調整、咬合調整を行い、
    14, 研磨し、
    15, 完成
    という手順を踏みますが、
    デジタルで行う場合、
    1, 歯を削り、
    2, 口腔内スキャナーで削った歯の形をスキャンし、
    3, そのデーターをパソコンに取り込み、
    4, ミリングマシンで削り出して、
    5, 研磨し
    6, 完成
    と、なんとも簡単に出来るようになっています。

    CAD/CAMでは、簡単に出来るだけでなく、印象材や石膏、埋没剤や鋳造収縮等々による寸法変化をコントロールでき、また対合歯も含めてデーター処理が出来るので、咬合調整やコンタクト調整もパソコンで出来てしまう上に、ダストフリーですから、従来の歯科技工士の「キツイ、キタナイ、深夜残業、薄給」という労働環境から脱却しますし、患者さんにとっての大きなメリットとしては、白い審美的な材料を使って保険で治療が受けられる(小臼歯・大臼歯)ということでしょう。(以上は一般歯科治療のお話です)

    デジタル化は当然矯正歯科にも進んできており、患者さんの口腔内からスキャンした不正咬合のデーターをパソコン上で治療後の綺麗な歯並びに排列しなおし、パソコン上で矯正装置を製作し、治療に用いるワイヤーも digital dataをもとに wire bending machineが曲げる、したがって、そのシステムで作られた矯正装置を患者さんに接着し、一緒に添付されてきたベンディングマシンの曲げたワイヤーを順にセットしてゆけば、理論上は矯正医がワイヤーを曲げなくても治療終了まで問題なく治療が進行する(筈である)、というものです。
    一連のシステムの先駆者は、私の友人の Dr.Dirk Wiechmannが開発した Incognitoですが、彼自身は随分前に Incognitoの権利を3Mに売却して、現在は現在 Win Systemというもので治療をしています。
    こういった CAD/CAMで作られた一連のシステムは日本でも講習会を受講し、使う先生が増えつつありますが、わたしは正直なところ、こういった CAD/CAM applianceは二度と使いたくないです。
    理由はいくつかありますが、問題点をざっと列挙すると、
    1, まず治療を受ける患者さんの側からは、装置代が非常に高価なので、その分治療代が高くなり、患者さんの負担が大きくなるという事、
    2, 日本人は白人の症例と違って叢生が著しく、levelingが進むにつれてArch lengthは変化してきますので、添付されてきたbending machineの曲げたwireのinsetが全く合わない、使い物にならないということ、
    3, ligationの問題(bracket-wire engagementが甘い)、
    4, bracket slotの滑りの問題、
    5, 治療中の bracketの破折の問題、
    6, Bonding baseの不具合による bracket脱落の問題、
    7, 治療中の bracketの紛失の問題、
    8, 治療中の wireの破折の問題、
    9, そして Wire bending machineの曲げた wireには、anti-bowing curveも gable bendも組み込まれていないので、そのまま患者さんの口に入れても治らないどころか、Force systeを理解していない先生が使えば、取り返しのつかない事になります。
    食わず嫌いはいけませんので、過去には実際に何症例か試験的に使って治療しましたが、正直、レベルが低すぎ、結局全部 Hiro bracketに付け替えて治療を終了しました。

    舌側矯正が出来ない先生には、リンガル関連の講習会を片っ端から受講している先生も多いようですが、講師の中にはキモの部分については内緒にして教えない先生もいますよ!

    話を元に戻しますと、Pre-congress courseでは、実際に Arch wireの曲げ方、space closeの際の Compensating bendの曲げ方、注意事項等々について説明をしながら実際に先生方にワイヤーを曲げて頂きました。


    私は30年以上、毎日何十本もワイヤーを曲げているので、wire bendingは日常の動作なのですが、やっていない先生には神業に映るようです、、。

    DGLO学会では、私自身も digital set upなど、従来のラボよりもメリットがある部分は取り入れて仕事をするように進めていること、全てデジタル化した場合の問題点などについて実例を挙げてお話させて頂きました。


    講演だけでなく、座長をも務めさせて頂きました。

    学会終了後は Gala dinner、いつもながらとても美味しく、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

    Dinnerの終盤ではおきまりのダンスタイム、みんながステージ前に集まり、踊り始めます。
    僕は踊れないから、と言って座っていると、You must dance!と言っていつも無理矢理引っ張って行かれるので、練習しなければ、、。

    翌日は早朝、TGVで Parisに移動、パリ大学の近くの格安ホテルに泊まります。

    パリに到着後、翌日はフリーですので、電車を乗り継ぎ、故 Alain Deckerのお墓にお参りをしてきました。


    Alainが生きていたらなあ、、。
    お花を供えてホテルに戻ると、奥さんから御礼のメールが届いていました。
    一緒に食事を約束していたのですが、時間が合わずに今回は会えずじまいでした。


    DUOLEの前夜は Germainが食事に誘ってくれ、翌日の打ち合わせ等々を行います。
    彼にはいつも本当に感謝しています。

    翌日は朝9時から講演が始まりますので、少し早めに朝食をとり、パリ大学に向かいます。

    パリ大学の教授達には、まずDGLOで講演した内容を少しmodifyしてお話し、さらにここ数年applyしている米国アングル矯正歯科医会のお話をさせて頂きました。

    1時間半の講演を終えると、お昼御飯に連れて行ってくれました
    このホテルは、モンマルトル地区にある高級ホテルで、最上階のレストランからはパリの市街が一望でき、エッフェル塔も見えます。


    仏蘭西料理は芸術です。

    食事が終わるころ、雨が雪に変わり、かなり激しく降っていますが、暫く様子を見ると晴れ間が出てきて、その間に大学病院に戻ります。
    午後は日没まで大学病院で過ごします。
    白衣に着替え、何人かの患者さんを診てくれと頼まれ、口腔内を見ます。

    患者さんには、「今日は日本から舌側矯正で有名な先生が来ている」と話してくれているようで、診療後に患者さんからは、「こんな有名な先生に診て貰えて、今日はラッキーだ」と喜んで頂けたときは嬉しかったです。


    大学病院の外来には、患者さんも教授達も行き交うところに、自分の治療した症例が今も誇らしげに飾られていました。
    有り難いことです。


    Post graduateの先生達のリンガル専門の勉強会にも顔を出させて頂きました。
    テキストには、ヒロシステムが!

    夕方18時頃にはクタクタになり、ホテルに戻り、今回の任務終了となりました。

    年内、海外はポルトガルとドイツに、国内は横浜、新潟、東京、大阪等々十数回、学会に行かなければなりません。忙しい、忙しい、、。

  • 第75回日本矯正歯科学会大会参加

    11月7〜9日、徳島市のアスティ徳島にて、徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面矯正学分野教授 田中栄二先生大会長のもと、第75回日本矯正歯科学会が開催されましたので参加しました。
     

     

    自分は日矯学会から認定医、指導医、専門医の資格を頂いており、今年が更新期限ですが、昨年の大会ですでに合格、更新を終えており、今回は展示発表もしませんので、聴くに徹します。
     
    とはいえ、講演は基本的に写真・動画撮影、録音禁止ですので、学会の模様はサラリと触れる程度にして、グルメリポートでいきたいと思います。
     
    松本から徳島までのルートはいくつかありますが、調べた限りでは最速の新神戸まで新幹線、新神戸から徳島までJR高速バスで淡路島経由というルートで徳島入りしました。
     
    バスで鳴門海峡を渡るのは初めてで、眼下には「なると」が渦を巻いています。
     

     

    学会を通じて予約したホテルには夕方到着、晩御飯を食べるために街に出ますが、日曜の夜のためか、調べたお店が片っ端からお休みで、やっと行き着いたところが、徳島ラーメンの美味しそうなお店、東大
    徳島ラーメンは初めてですが、美味しかったです。
     

     

    月曜日は昼までに会場に行けば良いので、レンタカーを借りて、讃岐うどんを食べに出掛けます。
    ネットで調べた 羽立というお店で、学会場から車で30分くらいのところにあります。
    折角来たのだからと、「かき揚げうどん と 生醤油うどん」と注文したら、お店のお兄さんに「2つ食べるんすか?」と笑われ、先に出てきた生醤油には手を付けずにかき揚げうどんが出てくるのを待っていたら、おばちゃんがかき揚げうどんを持って僕の生醤油うどんをチラチラ見ながら、「かき揚げうどんは どなた〜〜?」って言うので、手を上げて「僕です」というと、「2杯食べるん?」と、また笑われましたが、、せっかく来たんやから、ええや〜ん、、、美味しかったですよ。
     

     
    昔は、御当地名物はその土地に行かないと食べられなくて、これも旅行の一つの楽しみでしたが、最近は、わざわざその地に行かなくても、どこに居てもいろんな御当地名物が食べられ、しかも同じ材料を使って同じ方法で作るので、御当地と全く同じものが出てきます。
    松本にも讃岐うどんのチェーン店がありますが、美味しいですね。
     
    ちなみにこの日に借りたレンタカーは、ダイハツのムーブ、室内が広くて、燃費は 29km/l(!)でした。
    自分も軽自動車に乗っていますが、小回りは効くし、燃費はいいし、税金は安いし、狭いところでもシャっと駐めれるし、軽自動車は良いことづくめですね。
     
    その日の午後の講演は、生涯研修セミナー「矯正歯科医療における歯科衛生士の役割・アップデート」。
    矯正歯科に於ける歯科衛生士の役割は極めて重要で、法的に許された業務範囲も、一般歯科に比べると広く、歯科衛生士が活躍出来る、やりがいのある職場です。
    ところが、歯科衛生士学校の先生が学生に「矯正歯科専門の医院には就職するな」と指導している実態があることが日臨矯6月例会で取り上げられました。
    実際に長野県でも、どこの歯医者もみんな歯科衛生士不足で困っているのに、一部のペリオのスタディグループの医院には毎年何人も新卒者が就職するという実態があります。
    何人も就職するということは、退職者がそれだけいるということですから、歯科衛生士の皆さん、人の意見はあくまでも参考に留め、これから自分が働こうとしている職場を自分の目でしっかりと見て、仕事の内容だけでなく、労働条件や福利厚生はどうなっているか、他のスタッフとはうまくやって行けそうか、などもしっかりと考えて決めましょう。
     
    サテライトセミナー1は 「咬合の長期安定性について」。
    咬合の長期安定性については、昔から世界中のいろんな先生が研究を行っています。
    古くには C.H.Tweedが長期安定の得られているレントゲンを分析し、FMIAが 65°が良いと結論づけたことは、矯正歯科医なら知らない人はいません。
    日本人は FMAが大きいため、FMIAは57°とされていますが、全ての患者さんに FMIA を 57°にするのが良いのかというと、答は Noです。
    そもそも矯正歯科で用いるポリゴンは、血液検査結果などとは全く意味合いが違うもので、例えば血液検査で血糖値やコレステロール値など、異常値があれば、その項目を正常範囲にもってくるように治療を行います。
    しかしながら矯正歯科では、患者さんによって歯の大きさは違う、骨の厚みも違う、歯列の幅径も異なる、FMAも異なるし、Discrepancyも異なる、長頭型があれば短頭型がありますので、全ての患者さんに平均値を追求したら、歯根は骨から飛び出し、安定が得られないどころか、歯は使いものにならなくなります。
    例えば、抜歯症例では臼歯間幅径は治療前に比べて治療後は 3mm程度狭くなります。
    これは歯列が放物線状になっているために、臼歯が近心に移動した分だけ臼歯間幅径が減少するからで、矯正専門医では常識です。
    ところが、こういったイロハも知らずに、歯にブラケットを接着する方法だけ教わってきて、患者さんの歯にブラケットを装着して矯正治療を行う、こうゆう歯科医師がなんと多いことでしょうか。
    私がHPに一般歯科で矯正治歯科療を受けるのはやめてくださいと呼びかけているのは、「矯正治療は一般歯科に行かないでうちに来い」と言っているわけでは無く、こうゆうことなのです。
    矯正歯科治療は歯を並べてオワリではないわけで、こういったことを考慮しつつ、なおかつ、患者さんの主訴をきちんと改善しなければならないのです。
     
    さらに、下顎の水平埋伏智歯の抜歯について。
    私達矯正歯科専門医は、口腔外科医に下顎の水平埋伏智歯の抜歯を依頼します。
    ところが口腔外科医は、抜いておかないと押されて前歯に叢生が出るから、矯正医は下顎智歯の抜歯をしたがるんだと勘違いしている先生が殆どです。
    アメリカの最も信頼できる学会の報告では、下顎の水平埋伏智歯は前歯部の叢生には影響しないというの研究結果があり、私達が下顎の水平埋伏智歯の抜歯を依頼するのは、抜歯しておかないと一生大事に使って欲しい第二大臼歯の歯根が吸収してダメになってしまうからなのです。
     
    医師と患者さん、相性が合う合わないもあります。
    どこでどうゆう治療を受けるかは患者さんが決めることですが、あとで後悔する事の無いよう、選球眼を持って下さい。
     
    翌日火曜日は開会式のあと、臨床セミナー2、「理学療法と矯正治療」を、夕方には、青色LEDを発明、2014年にノーベル賞を受賞されたカリフォルニア大学サンタバーバラ校 教授 中村修二先生の講演を聞きました。
    内容については触れませんが、感じた事は、「このオッサン、めっちゃ迫力ある!」です。
    外国で現役で活躍している日本人、とりわけアメリカで活動されている人は、日本でやっている人達よりも数倍迫力がある上に、時間の使い方、人生の楽しみ方を知っていると思います。
    仕事柄、歯科関連の講演を聴く機会はいくらでもありますが、こういった先生の話はなかなか聴けないので、貴重な御講演に感動しました。
     
    水曜日は学術展示を全てチェック、商社展示では R社とO社はスルー。
    両社とも私が大学の医局にいる頃からの付き合いですから 30年以上になりますが、最近、セールスの態度が悪く、こんな会社とは お付き合いしたくありません。
    同様に言っている先生もいるので、イヤな思いをしているのは私だけではないようです。
     
    午後はJOSフォーラムがありますが、こちらはパスし、電車に乗って志度に向かいます。
    福岡日矯の際もJRに乗って、糸島の牡蠣小屋に行きましたが、今回も牡蠣が食べられるお店があるとのことで、出掛けました。
    志度湾のほとりにある「海鮮牡蠣かくれ家」というお店です。
     

     
    予約してあった牡蠣づくしのコースは、最初にバケツ1杯の牡蠣が出てきて、その他に 酢牡蠣、みぞれ牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣釜飯等々、1人で食べた牡蠣は78個!
    勿体ないので残さず全部頂きましたが、、食べ過ぎました〜、、ぐるじい、、。
     
     
     

    翌日は移動日、徳島駅を朝出発するバスに乗り、午後松本に戻りました。
     
    四国というところは、お遍路さんがたくさん歩いていて、素晴らしいところですね。
     

    さようなら、四国。 また来ますね。
     

    来年は10月18日(水)~20日(金)札幌市で開催されます。
     

  • 日本矯正歯科学会倫理規定

    アテネから帰って休む暇も無く、7月17日は日帰りで大阪に行って参りました。
    大阪大学吹田キャンパスで開催される第58回近畿東海矯正歯科学会例会に出席するためです。
     


    物凄く広大な阪大吹田キャンパス
     

    長野県の先生達は、現在は甲北信越矯正歯科学会に属しますが、私が大学を卒業し、矯正科に入局した当時は、甲北信越矯正歯科学会はまだ発足しておらず、近畿東海矯正歯科学会に属していました。
    甲北信越矯正歯科学会が出来た時点で、近畿東海矯正歯科学会は辞めても良かったのですが、近畿東海矯正歯科学会は、大阪大学の力でしょうか、学会雑誌や例会の内容が結構アカデミックで勉強になるので、退会せずに会員資格を継続してきました。
     
    今回わざわざ大阪大学まで出向いた理由は、日本矯正歯科学会ホームページ倫理規定についての講演を聴くためです。
    同様の演題は、日臨矯会長の富永雪穂先生が、7月3日に甲北信越矯正歯科学会で講演されていますが、自分はESLOでアテネにおり、聞くことが出来ませんでしたので、大阪に出向いた次第です。
     
    日矯学会倫理規定に関する講演の要旨、つまりホームページに記すべきではない語句や内容の要点を以下に箇条書きにします。
     
    1, 「ブライダル矯正」、「スピード矯正」、「プチ矯正」などの学術的に不適切と思われる治療法や装置の名称
    2, 「只今キャンペーン中につき、●%割引」
    3, 「100%確実」、「絶対確実」
    4, 「矯正専門医だから安心・安全」
    5, 「他医院での装置は無料で取り外し致します」など、患者を勧誘するもの
    6, 「都府県知事指定顎口腔機能診断施設」など、特別に指定を受けたものであると誤解を招くようなもの
    7, 「○○矯正歯科研究所」とか、県名・地域名を含み、誤解を招くようなもの
    8, 薬事未承認の薬物、材料、医療機器、治療法に関して、その名称、製造方法、効能・効果または性能に関しての広告を行っているもの(特にホワイトニングや、虫歯の予防薬剤、インプラントなど)
     
    等々です。
    こうゆう語句を使ってあるホームページの歯科医院は、歯科医師としての自覚に問題があると思います。(一般歯科で矯正も標榜している歯科医院に多く、矯正専門の医院ではあまり見られないそうです。)
    このような歯科医院の治療レベルは推して知るべしでしょう。
    患者さんの皆さんは、主治医を選ぶ際の参考になさって下さい。
     
    歯科医師過剰で、経営の苦しい歯科医院が多いそうですが、医療は商売とは違います。
    医療人として守るべきルールを守らず、医師としてのモラルが欠如している先生が非常に多いように感じます。
     
    先日、ひろ矯正歯科に初診相談でいらっしゃった方は、子供が一般歯科でアゴを拡げる治療が必要だと言われたが、本当に必要でしょうか、と、セカンドオピニオンを求めて来られました。
    患者さんは 6才の男の子で、お口の中は、まだ6才臼歯は1本も生えておらず、歯列も狭窄していません。
    拡大の必要など全くありません。
    成長発育の基本的な知識も持たず、この時期で拡大を勧めるなどとは、一体その歯科医師は何を考えているのかと、憤りさえ覚えました。
    お母さんには、その年齢で拡大治療など不要であること、拡大が必要なのはどうゆう場合か、アゴの発達と成長のピークについて、拡大の危険性、今後はどうしたら良いか等々を御説明致しました。
    私達医師・歯科医師は、患者さんの疾病を治療をして診療報酬を頂くのであり、お金欲しさに必要の無い治療・間違った治療を受けさせて患者さんを食い物にするなどとはとんでもないことで、こんなデタラメな歯医者は歯科医師免許を取り上げて欲しいと思います。
     
     
    近東学会で講演を聴いた後は、うちの長男に連絡をとり、前から行きたかった Dancing Crabで食事をしました。
     

    机の上に大きな紙を敷いて、その上に直接料理をぶちまけて食べます。
     

    じつは、うちの長男、この春 大阪大学の歯学部に入学しましたので、大阪におります。
    全国で50余名の狭き門、オヤジは馬鹿だが、子供はよく頑張ったと喜んでいましたが、入学して半年、大学生活も楽しいし、友達も一杯出来たけど、幼い頃からの夢である映画の道がどうしても諦められないから大学を休学したい、とのこと。
    自分の人生、自分の好きなように生きれば良いよ、と話し、現在休学して映画に打ち込んでいます。
     
    ただ、人生の先輩としてアドバイスをするならば、「学歴やライセンスは機会を逃したら取れない」、そして、「一度逃したチャンスは、二度とやって来ない」ということです。
    日本一の阪大歯学部で勉強させて貰える人は、毎年日本中で50名程度しか居ないので、大切に!
     
    ひろ矯正歯科の患者さんにも、受験を控えている方が多いです。
    夏休みが終わって、追い込みですね。
    目標を少し高く持って、頑張ってください。
     
     

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