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院長日誌

舌側矯正

  • 2009/09/09

    Hiro System and Lingual Orthodontic Course in Switzerland

    毎年、たくさんの人からリンガルの講習会を開いてくれないかと頼まれていますが、全て断り続けてきました。
     
    理由はいくつかありますが、私の本分は患者さんを自分の手で納得のいく治療をする事であり、lectureすることではないからだ、と考えているからです。
    どうしても参加しなければならない学会等々で留守にすることが年に数回はあり、現地で過ごすのが 2,3日であっても、前後の移動を含めると1週間ほど医院を閉めなければなりませんので、そうそう診療を休んでばかりは いられないからです。
    勤務医の先生が留守の間診療してくれて、学会の準備もプレゼンもみんな勤務医の先生がやってくれるなら 2つ返事でOKしますが、一人で診療から、学会の準備から、論文書きから、すべて行っている私には、時間的にも体力的にも限界もあります。
    ところが、今年は 2つのセミナーを引き受けました。
     
    今回は そのうちの1つ、Switzerlandの Dr. Nils Stukiからの offerです。
    1999年のリンガルの国際学会の際、私は新しく作った小型のリンガルブラケットについて発表しました。
    彼とはその時に知り合って以来 10年ほどの付き合いで、今年のもう一つの学会と同様、数年ほど前から顔を見るたびに何度何度も頼まれていたので、熱意に打たれてOKし、1年以上前からスケジュールを調整して、今回行って参りました。
    Hiro System and Lingual Orthodontic Course in Switzerlandと相成りました。
     


    9月 1日のお昼、いつもどおり中央タクシーで成田に向かい、空港近くのホテルに前泊します。
     

    成田空港で初めてA380を見ました。でっかいですね~。
     
    スイスは2回目の訪問です。
    1度目はジュネーブに1日滞在しただけですので、殆ど初めてのようなものです。
    チューリッヒからバーゼルまで、70kmほど離れているので、チューリッヒからバーゼルまでは電車で行くつもりでしたが、2日の夜、チューリッヒ空港に迎えに来てくれるということでしたので、お言葉に甘えました。
     
    ところが、、、到着ロビーで待てども待てどもお迎えが来ません。
    諦めて電車で行こうと、歩きながら Nilsに電話したら、「Toshi、フライトは明日だ、今日じゃね~ぞ~。」とのこと、、。
     
    ありゃりゃりゃ、またやっちゃった、、相変わらずオッチョコチョイだなあ、、、じゃあ、今日はこの近くのホテルに泊まって、明日朝の列車でバーゼルに向かうことにするか、と、バスを待っていると、彼から電話があり、間違えたのは僕じゃなくて、Nilsのほうだとのこと。
    「バーゼルのホテルは今日から予約が入っているから、今からバーゼルまでタクシーで行け」とのこと。
    思わず、「タ、タ、タ、タ、タクシー???」と叫びます。
    スイスのタクシーは高いと聞いているからです。
    「そんな遠くまでタクシーで行ったら、大変な金額になっちゃうよ。いいよいいよ、電車で行くから」と伝えますが、何度も何度も「タクシーで行け」、「タクシー代はこっちで払うから、タクシーで行け」と言うので、言われたとおりタクシーに乗り込んで、バーゼルに向かいました。
    タクシードライバーは目が点になっていましたが、1時間ほどで無事、バーゼルのホテルに到着。
     
    彼らが用意してくれたホテルは、5つ星の最高級ホテルです。
    とても歴史ある格式高いホテルなので、当然、短パンや野球帽は御法度です。
     
    部屋に案内して貰って、チップを渡し、外の景色を眺めていると、なんと、彼がやってきました。
    ただ一目会って挨拶をしたかったんだと、ベルンから1時間、車をカッ飛ばして来てくれたのです。
    感激、感激!
     
    ロビー横のレストランでビールを飲みながら1時間ほど話をしましたが、少しのビールでフラフラに酔っぱらってしまいました。
    この間のスタッフの一件以来、不整脈がひどくて、夜中にも苦しくて目が覚めるほどでしたので、暫くお酒を止めていたからです。
    久々に飲むビールは、とても美味しかったですが、たった1杯でかなり酔っぱらってしまいました。
     
    ホテルは、ライン川沿いで、眺めも素晴らしい、スタッフの対応も素晴らしい、さすがに5つ星ホテルです。
    ここのレストランも超有名だそうです。
     
    翌日は、夕方からディナーに招待されていますが、それまではフリーですので、早起きして朝食を済ませて、街に散策に出ます。
     

    ヨーロッパでは当たり前の朝市ですが、、。
     

    こういう雰囲気は大好きで、すごく気持ち良いです。
     

    上はバーゼルの旧市街です。 
     
    その夜は、ホテル内のレストランで食事です。
     
    スイス矯正歯科学会の前会長の Cris先生と Nilsと Karlと私とで、いろんな話をしながら美味しいフレンチに舌鼓、感謝、感謝。
    この、Crisという先生、話していると、このホテルは何年に出来たスイス最古のホテルで、オーナーは誰々で、等々、話しているとホテルのことだけではなく、なんでも物凄くよく知っています。
    生き字引とは、まさにこの人のことを言うんだな、と思いながら話していると、彼のお父さんは東京大学で教鞭を執っておられ、かなり特別な職に就いておられるそうです。
    どおりで、頭の出来が僕とは違うわけだ、、。
     
    翌朝、川を眺めながら美味しい朝食を頂き、セミナー会場に向かいます。
    今回の準備は、材料発注から会場設営まで、全て彼と彼の友達が行ってくれました。
     

    予め送ったパワーポイントも綺麗に印刷してくれてあり、全てがとても素晴らしかったです。
     
    午前中は、イントロダクションに始まり、リンガルの歴史、Indirect Bonding の歴史や種類等々について説明し、ゴージャスなフレンチのお昼を頂いたあと、午後はヒロシステムの実習です。
    見るは易し、行うは難しで、初めてなのに、凄く上手に進める先生もいれば、少々手こずっている先生もいます。
     

     
    午後の実習が終わってから、全員でトラムに乗り美術館へ。
    モダンアートのジャコメッティ展を観覧しました。
    とても難しいアートで、見ているときは「何だこりゃ?」と思いましたが、今は心に焼き付いています。
    貴重な体験をさせて頂きました。
     
    ディナーは、これもやはり操業何百年という有名なレストランで、フルコースを頂きました。
     

    わいわい、ガヤガヤ、、
     

    みんなと和気あいあい、楽しくお食事が出来たことをとても嬉しく思います。
     

    ニルスとカール
     

    翌日は朝から少し症例を紹介した後、実習の続きです。
    スイスのリンガルの会長のPeter先生と、Cris先生も一生懸命実習を進めます。
     
    お昼までラボの実習をした後、また美味しいお昼御飯を頂き、午後はメカニクスやリンガルのキーポイントについて解説します。
    全て終わった後、豪華な記念品を頂きました。
    2日間、ご静聴有り難うございました。
     
    今回の反省点がいくつかありました。
    来年のコースでは、その点を改良して臨みたいと思います。
     
    コース終了後、Cris先生が自慢の Ferrariに乗せてくれ、そのあと Nilsがマセラッティでチューリッヒまで送ってくれ、ホテルで一緒に晩御飯を食べました。
    いろいろと御世話になり、有り難うございました。
     
    翌日土曜日の便で帰っても良いのですが、日曜日の便で帰る方が飛行機代が半額くらいだったので、どうせ月曜日は定休日だからと、日曜日の便で帰ることにし、土曜日は1日観光をしました。
    1日街をブラブラしようと思っていたら、ホテルのコンシアージが ユングフラウヨッホの日帰りバスツアーを紹介してくれたので、行ってきました。
     

    憧れの高原列車、アイガー北壁を見ながら最終目的地、ユングフラウヨッホのてっぺんのレストランに向かいました。
     

    幸いにも天候に恵まれ、トップオブヨーロッパの大パノラマを満喫することが出来ました。
    まさか来れるとは思っていなかったので、本当に感激しました。
     

    駅のスタンドでは焼きたてのソーセージを食べました。
    アッチッチで本当に美味しかったです。
     
    そして現在、成田から松本に向かう中央タクシーの中です。
    明日、火曜日の朝からビッシリ患者さんが入っています。
    スタッフの皆さん、よろしくお願いします。

  • 2008/09/16

    Welcome to Dr.Hiro’s Lingual Orthodontic World!

    本年 7月に European Society of Lingual Orthodontics の Biannual meetingが Cannesで開催され、田舎者の私が 世界で第一号の World Board of Lingual Orthodonticsを授与された事は すでに院長日誌にアップしましたが、帰ってきてから、会場で質問を受けた先生の1人から ひろ矯正歯科に見学に行ってもいいかとメールを頂きました。
     
    ドイツ、Eislingenの Friedrich Widu先生です。
     

     
     

    僕はかまわないどさあ、うちは田舎だよ、リンガル専門じゃないよ、僕1人で仕事しているので、診療中は話したり説明したりしている暇はないよ、と、何度かメールでやり取りしましたが、それでも来たいと言うので、歓迎することにしました。
    折角ドイツから来るんだから、ラボを完全にマスターして帰りなよ、だから先生の技工士がいれば連れておいでよ、いないなら先生に教えるから、患者さんの模型を絶対に忘れないで持っておいでよ、と、伝えました。
     
    8月22日、朝礼の数分前、彼は超大きな荷物を持って医院の受付に現れました。
    荷物は僕が移動しておいてあげるから、スタッフ通用口から入ってよ、と伝え、僕は彼の荷物を運びますが、重い重い、、、。
    なんじゃこりゃ?
    一体何がはいっているんだ?? 
    金の延べ棒か、タンベルでも入っているのか??
    危うく、ぎっくり腰やっちゃうところでした。
     
    応接に案内して、いろいろと雑談をします。
    彼はルーマニアの生まれで、現在ドイツで開業しているそうです。
    アイスリンゲンというのは、人口約 8万人で、7人の矯正医がいるとのこと。かなり激戦ですね。
    彼は 2001年に開業し、現在は数軒の歯科医院を毎日回って診療しているそうです。ヨーロッパにはそうゆう先生が多く、一カ所定住で仕事をしている先生は殆どいないのではないかと思います。
    私はとてもじゃないですが、そうゆうスタイルで仕事をするつもりはありません。塩尻は超・田舎ですが、私がこの地を選んだのは、生活環境が良いからです。きちんと仕事をするには、まずは生活環境が優れていて、交通渋滞などの無駄な時間や余計なストレスがない環境で生活する事が重要である、さらに私にとっては今のスタッフ、受付、歯科衛生士、歯科技工士が一人欠けてもたいへんな障害になりますので、あちこち巡って診療なんて、私はとてもじゃないですが、そんなこと出来ません。
     
    彼は、リンガルの経験はまだ浅く、Kurzで3症例ほど治療をし、最近では Incognitoで 15症例ほど治療したが、いろんな問題があってうまくいかない、Hiro systemを使って治療したいということで、ドイツからはるばる塩尻にやってきました。
    また、この9月から Dr.Weichmannや Dr.Deckerらの指導する、かの有名な Paris V大学の Lingual Orthodontics Master Courseに入学するとのことです。(医院の患者さんはどうするのかな??)
     
    院内を簡単に案内した後、私はいつもどおり診断・治療を開始するので、まずはラボをやりなよ、と,彼を技工室に案内します。
     
    その日の午前中は、技工士のかえるさんがステップ毎に説明しながら Hiro systemの Laboratory Procedureを説明します。
     
    お昼御飯はホカ弁の“唐揚げ野菜炒め弁当”を美味しそうに食べていました。
     
    午後は、午前中に説明した手順どおりに彼自身が自分の症例をセットアップします。
     

     
    ラボが一段落したところで、降りてきて診療見学です。
     

     

    夕方、診療が終わると質問の嵐。
    まず、「今日のお昼御飯は誰に払えばいい?」というので、「そんなの、イラナイ、イラナイ」とうと、「何故だ、なぜいらないんだ?」と実に謙虚。
    それから、「見学して、技工を教えて貰うのに、いくら払えばいい?」というので、「イラナイ、イラナイ、フリー、フリー、マイプレジャーだ」とうと、「何故だ、なぜ取らないんだ?」と、不思議そう。
    世間には、100万円位払わないと見学させてくれない先生もいるので、不思議がるのも当然と言えば当然ですが、私はみんながリンガルで困っているなら、少しでもお役にたてればそれでいいと考えていますので、お金は受け取りません。
    これだけ時間を割いて一つ一つ教えて、1円も取らないというのは、教わる方からすると変な気分なんでしょうか、、。
     
    その日の夜は、歯科医師会の会合があったのですが、はるばるドイツから来た彼を放っておくわけにはいきませんでしたので、歯科医師会は欠席させて頂き、一緒に食事に行きました。
    塩筑歯科医師会の先生方、すみません m(_ _)m。
     

    まずは、いつもの OLD ROCKで喉を潤してから、、。
     

     

    折角日本に来たのだから、日本文化を味わって頂こうと、焼き鳥「大吉」にお連れしました。
     

     

    鳥かわ、厚揚げ、手羽、なんこつ、焼きおにぎり、etc.
    美味しい、美味しいと感激しています。
    クリスピーな鳥かわと、なんこつが一番気に入ったようです。
    明日も診療は 10:00からだけど、僕は朝8時少し過ぎには来ているので、いつでも好きな時間においで、グーテン・ナハト、と告げてさようなら。
     
    翌日は10時少し過ぎた頃に彼から電話があり、「時差ボケで寝坊してしまった。今から行く。アイムソーリー、アイムソーリー」と、ただただ謝っていますが、「いいよ、いいよ、ゆっくりしておいで~」と伝えます。
    11時すこし前に到着、ラボの続きです。
    今日は昨日セットアップした彼自身の模型を使って、コアを作ります。
    夕方、完全に理解できた、と、喜んでいました。
    それはよかった、よかった、、。
    終礼のあと、電車の時間まで少し時間があるので、質問を受けます。
    20個ほどの質問が矢継ぎ早に飛び出します。
    ある程度答えたところで、電車の時間になったので、晩御飯のお店の地図を渡して、現地集合。
     
    そうです、日本文化、しゃぶしゃぶです。
    仙岳のしゃぶしゃぶは美味しいですね。
     

     
    個人的には、仙岳別館の天ぷらが無くなってしまったのが残念でなりません。
    外人さんを接待するには最高のお店だったんです。
     

    彼と話していると、開業した頃の事を思い出します。
    ひろ矯正歯科は、もう少しで開業15周年になります。
    最初は狭いテナントで女房と2人で始めたのが昨日のことのようです。
    開業当初は歯科医師会の先生方が応援してくださり、今では、患者さんからの紹介がたくさん来られます。
    矯正一筋、一生懸命努力した甲斐があって、こんな田舎の矯正医がどうゆうわけか日本国外でも少しは注目される存在になりました。
    自分一人の力でここまで来れたのではありません。
    自分を支えてくれるスタッフにもいつもいつも心から感謝をしております。
    明日からまた頑張るべ~。
    Friedrich, アウフ ヴィーダー ゼーエン!
     
     

    求人情報:
    ひろ矯正歯科では、歯科衛生士、歯科医師を募集しています。
    興味のある方は、お気軽にメール<info@mienai.com>
    或いはお電話 0263-54-6622 ください。
    御連絡をお待ちしております。

  • JLOA 20周年記念大会

    日本の舌側矯正の集まりである、JLOAの20周年記念大会が3月20日、大阪の中之島センタービルで開催されました。
    特別講演として、今年のESLOのSecretaryの Germain Becker先生が来日されました。


    Germain Becker先生です。


    尊敬する松野先生 現JLOA会長です。


    尊敬する小谷田先生


    僭越ではございましたが、御指名でございましたので、
    座長は私が務めさせて頂きました。


    いつもは自分がCertificateを貰う立場ですが、
    この日は僕がBecker先生にお渡ししました。


    翌日は良いお天気で、奥様と奈良観光を楽しまれました。


    Becker先生、鹿にビックリ!

    今まで、学会などのブログは講演内容などもある程度紹介してきましたが、、、今回はオミットです。
    何故か、、、。
    書きたいけど書けない、、でも書かないと、わからないでしょうか、、。

    学会や学術会は公の場であり、意見を交換するところです。
    個人のアピールをしたり、個人のバッシングをする場ではないはずです。
    講演内容までは学会側でチェック出来ないので、学会の落ち度ではなく、これは個人個人のモラルの問題です。

    若手の先生方も、前夜、あれほどのバイタリティがあるなら、それを違うところで生せないのかなと思いました。
    将来を担っているのですから、発表なども頑張って下さい。

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