3月26日~28日、赤坂のホテルニューオータニにて、第2回国際舌側矯正歯科学会が開催されました。
僭越ながら、今回も口演発表をさせて頂きました。
講演内容は、Lingual Straight Wire Applianceに関する治療、そして、私が現在使っている超小型の舌側矯正用ブラケット、Micro Lingual Applianceについてです。
前者は第4回ヨーロッパ舌側矯正歯科学会(ベルリン)で、後者は第5回ヨーロッパ舌側矯正歯科学会(バルセロナ)および、アメリカ舌側矯正歯科学会(オーランド)で報告したものですが、本邦においては未だ未公開となっていましたので、報告をさせて頂きました。
毎年恒例の Dr.Fillionの Pre-congress course.舌側矯正初心者、これから舌側矯正を始めようと思っている先生は受けた方が良いと思います。
Micro Lingual Applianceは、現在世界中で広く用いられているKurz Applianceが抱えている問題点、すなわち、
等々の問題を改善するために、私がオリジナルで開発した超小型ブラケット(現在、ひろ矯正歯科での治療に用いられている装置です)です。
この装置を用いるようになってから、以前とは比較にならないほど快適に舌側矯正が受けられるようになっています。
よく、舌側矯正の事を「治療期間が長い」とか、「ちゃんと治らない」等々、悪く言う先生が多いですが、現在では、外側からの矯正と同じ治療結果を、外側からの治療期間よりも短期間で治せるようになっています。
学会最終日の最後の講演だというのに殆ど帰る人も見られず、皆さん聞き入って下さったのには感激しました。
口演は2日目の最後から2つ目、俗に言う「大トリ」で、こんなゴールデンタイムに時間を与えていただきました日本舌側矯正学術会の幹部の先生方に心からお礼申し上げます。
学会前夜から終了まで、世界を代表する舌側矯正の先生方と交流をはかりました。
舌側矯正学術会は今期で会長が交代し、新たなスタートを切ります。
大学の医局員時代、公私共々大変お世話になった 松本歯科大学教授 出口敏雄 先生が、このたび Indiana University で、名誉ある Jarabak Award を受賞されました。
それにともなう Mini residency があり、舌側矯正について話す機会を与えて頂きましたので、僭越ながら行ってきました。
日本からは僕の他には、浅井先生、嘉ノ海先生と、出口徹先生が行かれました。
インディアナ大学の矯正科といえば、世界を代表する数々の著名な先生を送り出している The best of the best です。
出口徹先生は、インディアナ大学の大学院を出られているし、浅井先生、嘉ノ海先生は世界でも名の通った先生。
皆さんに迷惑をかけないように頑張らねば、、。
いつもどおり、JAL悟空エコノミーでアメリカに向かい、お昼過ぎに無事Indianapolis に到着。
空港にはなんと Indy Car が飾ってあります!
ラスベガスは空港にスロットマシンがあるし、アメリカはさすが、やりよるの~。
空港に Indy Car が!
右から2つ目の茶色いビルがColumbia Club
いつもはレンタカーを借りるのですが、今回は Dr. Roberts の言うとおり、タクシーでホテルに向かうことにしました。
ホテルは Monument Circle 前の Columbia Club。
Monument は天辺まで登れます。
歴史のある、格式高いホテルで、短パンやTシャツ、野球帽などのラフなスタイルは禁止されています。
ホテルチェックインを済ませて、お昼を食べに出かけます。
Downtownを歩いていると、Brewery がたくさんあります。
交差点の角にある Brewery のパティオに席をとり、まずは、乾いた喉を潤します。
ランチはもちろん、ステーキ。
ベーコン巻きのテンダーロインが $12.80、安い割には柔らかくて美味しい。
ぷは~っ、うめ~っつ!
こいつも、うめ~っつ!
翌朝、Dr. Roberts がホテルに迎に来てくれました。
ロバーツ先生の車で走ること5分足らず、Indiana University School of Dentistry に到着。
部屋には過去に J. Award を受賞している Dr. Manuel Chanavaz、矯正界では知らない人はいない Dr. Boldwin や、Indiana Univ. の Resident students が20名ほどいます。
1日目は Dr. Chanavaz の講義が丸1日あります。
彼は医者ですので僕たちと住む世界が若干違います。
CT、MRI、Implant、TMJ の話から Distraction Osteogenesis まで、こんな素晴らしい講義を聴くのは久しぶりです。
誰にでも聞ける話ではないので、感謝、感謝。
講演中、質問がボンボン飛び出し、いつ当てられるかと冷や汗をかきながら1日が無事終わりました。
その日の夜は Dr. Roberts が Dinner に招待してくれました。
こんなに歴史のある、格調高いホテルは
滅多にないですね。
立っているのが Dr. Chanavaz.
咽の手術をしたばかりだというのに、大声で1日中熱演でした。
[ 2日目 ]
2日目の午前中、トップバッターは浅井先生。
Molar extraction と Retention について講演されました。
普段、Ext 部位で悩むことがありますが、さすが、浅井先生です。すげ~。
浅井先生、さすが。
コーヒーブレイクをはさんで、嘉ノ海先生。
嘉ノ海先生は CT と MIA について講演。これもすげ~。
何せ、個人開業医で CT や 3D printer を持っているんですから。
嘉ノ海先生、さすが。
途中から原稿を捨てて熱弁です。
昨日は日本人の事をバカにしていた Dr.xxx、口をポッカリ開いて、目が点になっています!
日本人をなめたらいかんぜよ。
絶対的なパワーではやはりアメリカが優位ですが、治療のクオリティなどを見ると、日本人の治療技術は やはり傑出しています。
午後1番は僕です。
開口一番、” Hello, everyone !! “というと、” Hello ! “という言葉が返ってくる。
お~、こんなレスポンスは初めてだ、頑張らねば!!
自己紹介を済ませて、舌側矯正は一般に期間が長くて治らないと言われているが、それは間違っているということを示した後、舌側矯正を成功させるための 6 keys を紹介。
TARG、CLASS、TOP System やRCIBS などの Laboratory Procedure について解説するとともに、Lingual SWA (これは世界で、僕と竹元先生と Dr. Scuzzo しか治療したことがないんだぞ! と)、僕がオリジナルで注文製作し、現在治療に用いている超小型ブラケットについて解説。
その後は出口先生が御自身の Orthodontic Career や ABO について講演されました。
僕も、がんばれ~。
出口先生の講義を受けるのは久しぶりです。
[ 3日目 ]
3日目の朝は 7:30から Resident student の配当された症例の検討会。
日本の大学の症例検討会も、こうあるべきですね。 是非、見習って欲しいです。
そのあと、出口徹先生が Osseointegrated MIA について、さらに日米の矯正患者の比較や PAR Score などについて講演。
徹先生は幼少期を Indiana で過ごされ、日本の歯科大学を卒業された後、つい最近まで Indhiana 大学の大学院にいらっしゃいましたので、英語は堪能、学業優秀、容姿端麗、、、真似をしたくても僕にはとても無理です。
日本の大学の症例検討会も、こうあるべきですね。是非、見習って欲しいです。
徹先生は Fluent というより、Native speaker です。
午後は University of Southern California の Dr. Kishibay が成人矯正について講演され、最後に出口先生が永年研究されている Chin Cap Therapy について講演されました。
講演が終わった後、Columbia Clubの10階 Ball room にてパーティーです。
Jarabak Award の過去の受賞者は、Hans Pancherz, Ram Nanda, John Lindquist, Robert Ricketts, Jim Baldwin, Charles Burstone, Manuel Chanavaz(non-US), and Webster S. S. Jee(non-US)で、出口先生の受賞は日本人で初めてです。(間違っていたらゴメンナサイ)
出口先生は今までにも日本人で初めて American Board of Orthodonticsに合格されています。
今回の受賞も本当に名誉ある事です。
弟子の一人として出口先生の受賞を心から嬉しく、誇りに思います。と同時に、これからも出口先生の名を汚すことがないよう、常に勤勉努力を欠かさないようにしなければならないと、あらためて思いました。
出口先生、おめでとうございます。
Dr.Roberts からバッジをつけてもらう出口先生
[ 4日目 ]
翌日は飛行機の関係で、フリーです。
もう一度大学の売店に行きたくて、ホテルから大学まで歩いて行ってみました。
歩いて20分位だったでしょうか。大学の売店でしか買えないオリジナルグッズをゲットしました。
Indiana University
School of Dentistry
こちらは医学部。
Book store でオリジナルグッズを!
これは何だったけな?
大学からホテルに行く途中にありました。
帰る前にもう一度、一杯。
(正確には、2杯です。)
明日は朝イチの便で帰国です。
明日からまた患者さんがギッシリ入っています。
時差ボケだとか、疲れたなんて言っている暇は 僕には ありません。
毎日、1日1日を無駄にしないよう、精一杯 頑張っています!
世界最大の舌側矯正専門の学会、
「European Lingual Orthodontic Society Biannual Congress」
が 6月30日から7月 4日まで Spain Barcelona の Hotel Arts で開催されました。
日本からは 50名以上の先生が参加されましたが、著名な先生方をさしおいて、僭越ながら本年もメイン・スピーカーとして講演をさせていただきました。
いつもながら一人、成田を発ち、Zurich経由でBarcelonaに向かいますが、、、
乗り継ぎのZurichでは誰も人がいない!
一人旅というのは、時々迷ったりすることもありますが、皆さんも一度は一人で旅をしてみてください。
2度とツアーなどには参加したいとは思わなくなります。
Zurichからの飛行機もガラガラでしたが、午後4時頃、無事、会場であり、宿泊先でもあるHotel Arts Barcelonaに到着しました。
Zurich空港では、、誰もいない!!
あれに見えるは、Arts Hotelだ!
時差ボケ解消のため、いつもどおり周辺を歩き回ります。
ホテルからサグラダ・ファミリアまで2キロ程なので歩いて行くことにしました。
教会の中には入らずに、外からだけ拝んで来ましたが、、。
これぽっちの運動では、まだ時差ボケは解消されないので、とにかく歩き回ることに。
市内の名所を見がてら、10キロほど歩きましたが、途中で、足が痛くなって、ドクター・ショールの御世話になりました。
これが、かの有名な桜田ファミリア、
じゃなかった、
サグラダ・ファミリアかあ、、、、。
ガウディの「カサ・ミラ」。
中が見学できますが、あまり興味がないので、1階の土産物売場だけ立ち寄りました。
途中、休憩をかねて、ビールと生ハムを、、。
最近は日本にいても世界中の物が安く手に入りますので、別にどうってことはないのですが、、
やはり美味しい、、ような気がしました。
雰囲気のせいでしょうね。
明日は朝から学会です。
僕は 7:30 のラウンド・テーブル・クリニックに申し込んでいるので早起きをしなければならない。
時差ボケは直ったかな、、? 起きられるかな、、?
学会は Pre-congress, Post-congressのcourseを入れると計5日間ですが、演題が多くて入りきらないため、途中は会場を2つに分けて2部屋で同時進行します。
1日目と 3日目の午後は、会場は1つに絞られましたが、僕は3日目の午後、Golden timeに割り当てて頂いて、なんとも光栄でした。
今回の僕の演題は、新型の超小型ブラケットの紹介と、治療結果の報告です。
現在、世界中で舌側矯正に使用されている Bracketは、Ormco社の Kurz Applianceが主流ですが、この Kurz Applianceは大きくて発音障害や舌の痛みなど、ざっと考えただけで6つの問題があります。
これらを解決するために、僕は10年ほど前から全く新しい装置の開発に取り組んできました。
現在、ひろ矯正歯科で舌側矯正のために使われている装置は、全てこの新型の超小型装置で行っていますので、発音障害や舌の痛みや、治療期間の問題が解決されています。
この新しい装置は、どうゆうコンセプトで開発したのか、この新型の装置で治療を行うと、いかに素晴らしい治療結果が得られるか、ということを紹介するために発表を行いました。
講演終了後、何人もの先生から個人的にいろんな質問を受け、講演内容についても絶賛され、是非、この「新兵器」を自分のクリニックでも使いたい、と、拍手喝采を頂きました。
学会場にて
講演に力が入ります。
学会中、見ず知らずの たくさんの先生からも “Hiro System” の紹介や、Laboratory Procedure, Modified Hiro System等々について、講演がありました。
こんな長野の山奥で開業しているチッポケなドクターが、矯正歯科が好きだというだけで、いろんな事を考えついて、、それを世界の先生方が使ってくれるということは、本当に有り難いことです。
最後の夜はいつもながらGala Dinnerです。
みんなタキシードやドレッシーなドレスで正装しています。
食事中は会長の Pabloや、前会長の Dirk、時期大会長の Dr. Stefano Veloや、アメリカの会長の Mario、ドイツの親しい先生方と楽しいひとときを過ごしました。
左がドイツの親友、Dr.Rummel、右隣が同じくドイツの親友、Dr.Brunoです。
こうゆう学会に参加し、発表するということは世界中の先生が見ているわけで、中には、誰が見ても理解に苦しむ、「何なの、これ??」という声が幾度となく聞かれる、酷評されている発表や展示などもあるわけで、無難に生きるならば、何も発表しないのが安全なのでしょうが、、僕はそうゆう Negativeな生き方は出来ません。
いつも自分に出来る限り全力でベストを尽くす。
日々の診療においても、学会発表においても。
特に学会発表は準備が本当に大変で、自腹で行っている限り出費のみ、発表しても何も貰えるわけではないし、留守中は医院も休診にしなければならないので、毎年、これで終わりにしようと思っているのですが、いつも終わると「Toshi, おまえのレクチャーはいつも素晴らしいよ!」といわれると、また頑張ろうかなって思います。
次期大会は2006年、Italy のVenisで開催される予定です。