昨年の12月、パリ大学第五の矯正歯科学講座の教授である Dr. Alain Decker と 親友である Dr. Germain Beckerから、2011年の6月に Franceの Reimsで CEOという矯正歯科の学会があるので、45分間のレクチャーをしてくれないかと頼まれました。
6月19〜23はヨーロッパ矯正歯科学会がイスタンブールであるので、両方は出れないなあ、EBO meeting暫く出ていないので、今年は出ようと思っていたんだけどなあ、、、。
でも、折角招待してくれたんだから、今回は EOSはやめて、Reimsに行こう!
と決めて、行ってきました。
じつは、この学会では、アッと驚く大事件が!! (後述)
6月 9日木曜日、パリの シャルル・ド・ゴール空港に降り立つと、Alainが迎えに来てくれました。
シャルル・ド・ゴールから Reims まで車で大体1時間半、Reimsというのは、シャンパーニュ地方ですので、高速道路から葡萄畑やシャンパンのモニュメントを片目に、毎日シャンパン漬けになることを期待しながら向かいます。
道中、Alainと話をしながら、夕方、Reimsに到着しました。
美しい町です。
チェックインした後、ホテルのレストランでシャンパンを頂き、ディナーパーティーに招待にあずかりました。
シャンパン、ボルドーワイン、魚料理、、超・美味しいです。
いつも海外の学会で講演する際は、Baggage lostや交通機関のトラブルなど、万が一のことを考えて学会の1〜2日前に現地入りし、問題ない場合は時差ボケ解消を兼ねて現地観光をするのですが、今回は観光などする時間は全くなく、、 (後述)
翌10日は、pre-congress courseで、Dr. Marco Rosaが “Orthodontie et traitement multidisciplinarie des edentements du secteur antérieur; fermeture d’espace, substitution naturelle versus implants” 、
Dr. Paul Miaraが “Les traitments esthétiques atraumatiques, des traitments chimiques aux traitements prothétiques” というタイトルで講演されるので、どちらも聞きたかったんですが、部屋から出れません、、、なぜか?? (後述)
翌11日は学会の Opening ceremony があるので、朝食をすませて学会場に向かいます。
僕の参加賞には、なんと “VIP” と書いてありました! 嬉しい!
会長の Barthelemy教授の挨拶の後、Alainの講演です。
聞いていて、少々不安に、、、。
「う〜、大丈夫かな〜〜、、」 って、、、何が?? (後述)
明日の仕事場。 すごい立派な会場です。
珈琲ブレイクの際に、学会場で自分のパソコンを繋いで試写してみます。
若干モニターの調整が必要でしたが、OK!
試写を終えたら、急いでホテルに戻ります、、、何故か、、(後述)
その日の夜は、近所のレストランで ビールと キーァを、食事は お魚料理を頂きました。
そして12日、Dimanche。
朝食を食べて会場に向かう前に、緊張をほぐすために学会の受付の女性と記念撮影、、。
あまりにも美しいので、かえって緊張してしまいました、、、。
会場です。
今日は講演です。
準備万端、、とは、とてもじゃないが言えません、、。
トップバッターの Laure Frapier先生の “Pourquoi extraire?” が終わり、いよいよ僕の出番です。
このsessionの présidentsは、Dr. Sandrine Favotと Dr. Emmanuel Frerejouan、僕がステージに上がると、Emmanuelが僕の事を紹介してくれます。
「Dr. Hiro、あなたは、世界で最も有名な舌側矯正医の一人であり、英国矯正認定医であり、ヨーロッパ矯正歯科学会の専門医であり、世界舌側矯正歯科学会の専門医であり、日本矯正歯科学会の専門医であり、、、日本の大地震の大変な時期ですが、この学会のためにはるばる日本から来てくれました。」
身に余る紹介で照れてしまいますが、日本流にお辞儀をすると、会場から大拍手です。
僕のような田舎の矯正医が、なぜこんなに喜んで貰えるのか、全くわかりません。
そして、講演を始めます。
第一声、
“Bonjour, à toutes et à tous!” (こんにちは、みなさま)
場内大拍手!
“Je remercie le Dr Stephane Barthelemy, président du collège européen d’orthodontie, et le Professeur Alain Decker, qui me donnent aujourd’hui l’opportunité de m’exprimer à ce merveilleux congrès.”
(本日はこのような素晴らしい学会で話す機会を与えていただきましたことを、CEOの会長のStephane Barthelemy先生、そしてAlain Decker教授に感謝いたします。)
さっきとは比べものにならない大拍手!!
「ワ〜ォ!!」とか言っている人がいる、、、フフフ。
そして続けます、、。
英語で、、?
フフフ、、。
“Avant de débuter cette conférence, j’aimerais me présenter. J’ai une clinique exclusivement en orthodontie dans la région de Nagano, au Japon. Ma clinique est située à Shiojiri, ville peuplée de soixante mille habitants. Comme vous le savez, la ville de Nagano est connue pour ses jeux Olympiques d’hiver, et est entourée par de magnifiques montagnes et une très jolie nature,,,,”
(講演に先立ち、自己紹介をさせて頂きます。私は日本の長野県というところで矯正歯科を専門に開業しております。 私の医院は、人口6万人の塩尻市というところにあります。長野は冬季オリンピックで知られ、美しい山々に囲まれ、自然環境に恵まれ、、、以下略)
次の文は、英語で、、と思ったでしょう!
誰もが!
Alainも Germainも口を開いています。
じつは、45分間の講演を、英語ではなく、全部フランス語でやってみました!!
しかし、“Avant de débuter cette conférence, j’aimerais me、、以下、さっきの割れんばかりの拍手が打って変わって、場内シ〜ンとなってしまった、、。
「こんな下手くそなフランス語、聞いていられないぞ!」と、みんな怒って出て行ったらどうしようか、と、汗をかきながら続けますが、、フランス語、難しすぎる!
英語と違うところは、フランス語には、女性名詞と男性名詞があって、それぞれによって冠詞が変わる。
さらに動詞は人称に応じて6変化するので、ワカラナイ!
さらに、英語と全く違う発音、「ジュ」や「シュ」や「ジェ」に加え、「オン」などの鼻母音。
さらに rの発音が英語の rではない。
すなわち、rは、「アール」ではなく、「ゲ」(お父さんが歯磨きをした時に、オぇ〜っ!、ごゲぇ〜〜! ペッ、ペッ!!、ってやりますが、あの「ごゲぇ〜〜!」の音です。例えば、 “Hiro” は「ヒロ」ではなく、「イゴ〜」になるのです。)
さらに、発音してはいけない文字がある。
例えば、 “Hotel”だと「ホテル」ではなく、「オっテル」、 “treatment”だと、「トリートメント」ではなく、「トゲットモン」、てな具合です。
ただでも難しいのに、その上に、完全に練習不足。
おまけに、Power pointの presenter’s toolに打ち込んだアクサンが、みんな文字化け。。!!
原稿はこんな感じで、?マークばっかり!
そして、なによりもフランス語のレッスンを始めたのは、今年の1月から!
しかも毎朝5時起きして、恩師と約束した Class IIIの論文書きに追われ、そして45分と3時間のプレゼン作りに追われ、フランス語の練習する時間は全くなく、本当に4,5回しか読む練習をしていないのです。
みんな会場から出て行ってしまったらどうしようと思いましたが、そんな人は一人もいなかった。
それどころか、45分間のプレゼンが終わると、拍手喝采。
ありがとう、ありがとう、、。
Emmanuelが何やら僕にフランス語で話しかけるが、、わからない。
“Je ne comprendre pas,,, mais je ne parle pas français.” 。
すると英語で話しかけてくれ、会場からは拍手が鳴り止まない、、、嬉しい、、頑張った甲斐があった。
会場内から質問が2つほど。
これは英語で答えるが、ステージを降りるまで拍手が鳴り止まない、、本当に嬉しい、、。
フランスの皆様、ご静聴、本当にありがとうございました。
“Merci pour votre attention. Au plaisir de vous retrouver à ESLO Francfort!”
そしてホテルに戻り、着替えて昼食に出掛けます。
昨日のレストランで bièreと vin rougeと Kirを頂き、食事は Tartareを、、、。
そして帰って休もうとするが、、体調に異変。
吐き気と超・下痢ピッピ、高熱。
持っていた下痢止めを倍量飲むが効かない。
熱にはアスピリン大量投与、でも効かない。
その日は学会の dinnerが POMMERYであるんですが、とてもじゃないけど行ける状態じゃないので、キャンセル。
クビにバスタオルをグルグルに巻き、毛布を二枚重ねにして、ヒーターを最強にして、汗だくで寝ますが、高熱でうなされて自分の声で目が覚める。
しかも頻繁にトイレ、、下痢ピッピ。
火曜日は University of Reimsで 3時間の講義をしないといけないので、なんとしても治さないと、、。
夜どおし、下痢と高熱と吐き気にうなされます。
Lundi、13日、お店は全て閉まっている日なのですが、幸運にも少し向こうに開いている薬屋を発見。
症状を話し、薬を買ってホテルに戻って飲んで、そろりそろり学会場に向かいます。
そして閉会式まで会場で過ごし、Alainと一緒に昼食会場に。
お昼御飯、凄く美味しそうですが、僕は我慢して薬と暖かい珈琲を飲みます。
今晩、御飯を一緒に食べに行かないかと誘ってくれ、下痢なので食べれるかどうかわからないけど、一応行くことに。
幸いにも、朝飲んだ薬が劇的に効き、夕方には普通に歩けるほどに。
Alainお気に入りの店で生牡蠣や海老などシーフードを頂きます。
病み上がりでやめといたほうがイイかなと思いましたが、大丈夫でした。
美味しかった。
翌朝、ホテルをチェックアウトし、大学に向かいます。
3時間の講演内容は、、、内緒です。
大学の先生達と。
そのあと、Alainの車でパリに向かいます。
彼の御息子の Lionelのラボを見学に。
彼とは、Londonの ESLOで会っていますが、ラボに行くのは初めてです。
素晴らしいラボです!
部屋も綺麗、机も綺麗、仕事も綺麗、、、何よりも女の子がメチャクチャ綺麗!
その後、Université de Paris Vに向かいます。
パリにはいくつか大学がありますが、Paris Vは一番大きく優秀です。
近々、他の大学は Paris Vに統合されると聞きました。
歯学部の入り口です。 病院玄関は他にあります。
Paris Vの大学病院は、4つあるそうですが、モンマルトルの近くにあるこの病院は、とても病院とは思えない、すばらしく美しい病院でした。
病院の中庭には葡萄畑もあり、毎年この葡萄でワインを作るそうです。
矯正歯科を案内して貰ってから Alainが 凱旋門近くのホテルまで送ってくれました。
その夜は凱旋門に登り、晩御飯は中華に。
翌日は帰る日です。
朝からモンマルトルに向かいます。
お目当ての画家さん、、いるかなあ、、。
いました、いました。
彼とは8年ぶりの再会です。
2003年に会ったときの写真を持参、暫くお話しをして、絵を1枚買って、また来年会いましょうと別れを告げます。
そのあと、世界屈指の舌側矯正専門医、Didier Filion先生のオフィスに向かいます。
とても美しい診療室で、感動したのは、全て彼自身が行っているということです。
日本と法律が違い、フランスでは、歯科衛生士は患者さんの口の中に手を入れてはいけないのですが、全てを一人で行い、毎日朝10時から夜7時半までだとか、、。
お忙しいところお邪魔しました。
今回の学会、いろんな点で今までと違い、たくさん思い出が出来ました。
フランスの友達、また会いましょう!
“Au revoir!”
5月22日、朝日大学歯学部歯科矯正学講座(正式には、口腔構造機能発育学講座歯科矯正学分野)の教授・北井則行先生の矯正歯科研究会に招かれ、お話しをさせていただく機会を与えていただきましたので、2時間、舌側矯正についてお話しをさせて頂きました。
北井則行先生の御略歴を簡単に記しますと、86年に大阪大学を卒業され、同年4月に同大学歯科矯正学講座に入局ののち、講師、助教授を経て、2004年に朝日大学歯学部口腔構造機能発育学講座の教授に就任されています。
私たち開業医からすると、教授というのは別世界の生命体、すなわち、私たちは平民、教授は天守閣に住まわれる御殿様、といったイメージがあるのは私だけでしょうか、、。
オファーをお誘いをお受けした後、北井先生から連絡があり、御礼かたがたはるばる塩尻まで挨拶にいらっしゃるとのことでしたが、滅相もない、私はただの田舎の矯正医、お招きにあずかっただけで大変光栄なことですので、その必要はありません、と遠慮させて頂きました。
講演前日の夜、じつは小川先生とタコ焼きを食べに行こうと約束していたのですが、急遽、北井先生もいらっしゃるとのことで、予定変更、私の一八番の「串の坊」に行くことにしました。
約束の時間、店の前で緊張しながらお待ちしていると、北井先生がいらっしゃいました。
簡単に挨拶をして、店の中に。
小川先生とは学生時代のテニスのライバルだったそうで、話が弾んでいました。
僕はいつもどおりビールをマイペースで頂きますが、北井先生と話してみると、意外にも話しやすい先生で安心しました。
途中から松原先生もいらっしゃり、食事の後は二次会、楽しい思い出となりました。
翌日の講演は、50名ほどの先生がおいでになり、いつもどおりリラックスしてお話しをさせて頂きました。
私のリンガルの臨床は、世界のリンガルの先達が教えてきたこと、やって来たことと、かなり違います。
ループやパラタルバーを用いない、バンドも用いない、ブラケットも超小型で、発音障害や舌への刺激が最小限に抑えられている、等々。
私が永年、舌側矯正で通常の矯正と変わらぬ良好な結果を得ているのは、このヒロブラケットと、私のオリジナルの接着方法、この2つの賜物です。
これらのどちらかが欠けても、私はリンガルの治療をすることが出来ません。
他の先生とは少し違ったレクチャーに、教授から若手の先生までお楽しみ頂けたのではないかと思います。
今度は仕事以外で松本に遊びに来て下さいと、北井先生とは再会を誓って、大阪を後にしました。
北井先生、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
話変わって、前出の小川晴也先生が甲北信越矯正歯科学会で講演されるとのことで、6月4日に来松されました。
小川先生の御略歴は、86年に大阪歯科大学を卒業、その後、学位を取得され、現在は広島県福山市で矯正歯科専門開業をされています。
私とは、USC courseで同期、アレキサンダー研究会でも御一緒させていただきました。
小川先生の来松は半年ほど前に聞いていましたので、午後休診にして、15時に塩尻駅にお迎えにあがります。
そのあと医院にご案内して、松本市内を簡単にご案内した後、私のお気に入りの宿、すぎもと旅館に向かいました。
いつもながら美味しい食事とお風呂。
小川先生にも、とても満足して頂けたようでした。
翌5日は、小川先生の特別講演、「態癖改善が咬合に及ぼす影響」。
甲北信越矯正歯科学会はとても小さな学会ですが、大きな学会と違った良いところがあります。
いつも海外のリンガルの学会と重なってしまうので、欠席ばかりでしたが、こ最近はなるべく参加するようにしております。
お昼御飯は、手打ち蕎麦の丸泉にご案内しました。
小川先生、お疲れ様でした。
良い思い出になりました。
日々仕事に追われ、矯正歯科の先生や、歯科医師会の先生と殆ど交流のない私ですが、最近いろいろと思うことがあります。
今後は、矯正歯科の先生や歯科医師会の先生方とももっと親睦を重ねてゆきたいと思っております。
余談ですが、この私の行っているリンガルのラボ(いわゆるヒロシステム)、以前は院外の先生からも請け負っていましたが、技工士の都合でやめておりました。
現在、準備が整いましたので、6月末から再度受注・製作させて頂きます。
御希望の先生は、指示書を送らせて頂きますので、御連絡ください。
2011年4月2日~4日、World Society of Lingual Orthodontic Meetingが大阪国際会議場にて開催されました。
本学会では、御指名により、Pre-congress courseの講師と、4月3日の最終演題に講演をさせて頂きました。
学会の開会の挨拶は、震災で亡くなられた方々への1分間の黙祷から始まりました。
津波に家族をさらわれ、地震以後、家族と会っていない、でも、何処かで生きていると信じて、一生懸命頑張って生きている人達を想うと、涙が出ました。
自分だったら、生きてゆける自信はありません。
気が狂ってしまうと思います。
被災された方々の精神的ケアと、1日も早い復興をお祈りいたします。
この原発事故の影響で、海外からの先生の多くはキャンセルとなりましたが、日本語の話せない先生が、「がんばれ日本、負けるな日本」と、カタコトで言ってくれたり、そう書いたスライドが出てくる度に、泣けてきました。
学術大会前日、2日の土曜日は Pre-congress courseです。
有名な日本人・イタリア人の部屋は小さい部屋で参加者も10名程度なのに、私のコースは、約 90名ほどの先生達が受講してくださり、会場はなんと、学会のメインコングレスの部屋!
有り難いことです。
私のコースの内容は、3種類のワイヤーベンディングと、舌側矯正のレクチャーです。
本当にたくさんの先生が参加してくださいました。
じつは、この3つの wire bendingは、それぞれがリンクしています。
最初に行った Breakfast menuは、臨床でのワイヤーベンディングのスキルアップに直結するトレーニングです。
2つ目は、前歯にベンドを入れると臼歯にどうゆうトルクが入り、どうゆうハイトの違いが出るか、臼歯にベンドを入れると前歯にどうゆう影響が出るかということを再確認することを目的として、また同時に、レクタンギュラーワイヤーを余計なトルクや傾斜が入らないように、正確に曲げる練習です。
この2本目までを午前中に終了させ、昼食のあとは珈琲でも飲みながら質疑応答、午後は臨床に使うワイヤーを曲げる練習をして、レクチャーに入る予定でした。
ところが、、、思ったより先生方のワイヤーベンディングが捗らず、結局2つ目のメニューは、最後まで曲げるのを断念、3つめの Clinical exerciseに入りました。
これは、1725の Beta Titan wireを使って、Lingualの mushroom archを屈曲し、前歯部に Buccal Crown Torqueを入れる練習、そのあと Gable Bendを組み込んで、実際の治療で Space closingに用いるワイヤーを曲げて頂きました。
これらの wire bendingに予想以上に時間がかかってしまい、一部の先生からの fundamentalな質問も加えて、予想外の 超・ウルトラ・ディレイ。
レクチャーの方は大急ぎで行いましたので、ブーイングが出るかな、と少し覚悟していましたが、終わるやいなや、国内外のたくさんの先生達から、「前歯部のトルクがあんなに簡単に入れられるとは知らなかった」、「知らないことをいっぱい教えて貰えた」等々、絶賛のお言葉を頂きました。
急ぎましたが、ポイントは飛ばさずしっかりおさえましたので、御理解いただけたでしょうか。
学会終了後、コースに参加していた小児歯科の先生から 「しょーもないコースやりやがって! 居波がどれだけ迷惑してるかわかってんのか!」と言われましたが、私は 1円たりとも謝礼は受け取っていません。
コース参加料がいくらか知りませんが、仮に5万円だとすると、450万円ほど学会に貢献しているわけです。
居波先生から頼むから助けてくれと言われてコースを引き受けて、多大な貢献をしているのに、御礼も言わないというのはどうなんでしょうか。
それと、この小児歯科の先生、WSLOに何しに来たのか知りませんが、小児歯科専門医の先生にはリンガルは必要無いし、無理でしょう。
失敗したらリンガルが悪く言われるので、やめて貰いたいです。
学会最終日の講演は、”Doctor, can you treat me with Lingual Orthodontics?”という演題で、リンガルは治療期間が長く、ちゃんと治らないからやめた方が良いという歯科医師が多いが、それは間違っているということについて、実例を示して証明しました。
今回の学会では、日本矯正歯科学会会長の後藤教授をはじめとする日本の国公立・私立大学の教授達がたくさん参加しておられました。
外国では、たくさんの Professors & Chairmen がリンガルの学会に参加しますが、日本でのリンガルの学会に大学の教授が参加するというのは、珍しいことです。
これにはいろいろ理由があるのでしょうが、一番の理由は、リンガルに対するイメージ、すなわち、「リンガルをやっている奴ら=金目当て」、「リンガルをやっている奴ら=まともな治療をしていない」、「リンガル≠矯正歯科、リンガル=美容矯正」といった公式が成り立っているからだと、私は考えます。
そして、そうゆう評価を受けるのは何故なのか、リンガルをやっている先生達は自分の胸に手を当ててよく考えて頂きたいものです。
私はリンガルの治療に際しては、資料、診断、治療内容、治療結果、治療後の安定性、どれをとっても通常の矯正以上であるように、何処のどんな試験官がみてもお墨付きを頂けるような治療であるべく、精一杯頑張っています。
御参加いただいた教授達には、リンガルはファッションではない、リンガルは患者集めの手段ではない、これだけきちんと治療している者もいるのだ、ということを伝えたかったので、演題もその内容に焦点を合わせましたが、伝わりましたでしょうか、、。
黒いスーツが Brazilの Dr.Arima。 彼の Board caseは今回の candidatesの中で最も素晴らしい治療であったと聞いています。
学会が終わった後、Dr.Svitlana Babiiが塩尻の私のオフィスまで見学に来られました。
彼女の住む Odessaは、人口100万人で、専門医は50人くらい、歯科医院の数は美容院の数よりも多い、とのことです。
リンガルについて教えてくれる環境がない、教えてくれる人もいないとのこと。
2日間滞在されましたので、一通りのラボワークをお教えし、臨床見学と、困っている症例についての相談を受けましたので、私ならこう治す、とアドバイスをさせて頂きました。
何一つ隠さず、私の知っていることは全てお教えしましたが、御理解いただけたでしょうか、、。
技工室にて、Hiro’s lab. work experience
技工士さんは英語が話せないので、勤務医の神谷貴志先生が付きっきりで教えます。
いつもどおり「かつ玄」で 一緒に晩御飯を。
ハイ、ポーズ!
次回のリンガルの学会は、2012年6月28日〜7月1日、Frankfortで行われます。
日本の大学の先生達がたくさん参加されることを希望します。
WSLOは、もうイイかな、、。