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院長日誌

  • 2011/01/11

    2011年1月11日

    皆様、あけまして おめでとうございます。
    本年もよろしくお願いいたします。
     
    お正月は、毎年恒例、豊川稲荷に初詣に行ってきました。
    いつもながら、ここで御祈祷して貰って、精進料理を頂くと、心が洗われます。
     

     

    豊川稲荷では、千本幟も あげてきました。
     

    昨年1年を振り返ると、とてもストレスの多い1年でした。
    すでに院長日誌に記した World Board of Lingual Orthodonticsに関する問題は、結局うやむやのままですが、WSLO大阪大会が終わるまでは、詳しいコメントは差し控えたいと思います。
    JLOAへは、一旦退会を表明しましたが、裏事情をわかってくれている先生が多いために、退会を撤回、次期会長には、忠誠を尽くすことを御約束しました。
     
    もう一つ、大きなストレスとなったのは、一昨年に続くスタッフの問題です。
    「十人十色」、「ある人に出来ることが、ある人には出来ない」、これは当然のことで、私だって最初から出来たわけではありません。 人が出来ない事を お互い助け合って回っているわけですから、出来ないこと自体は仕方がないですし、次回は出来るように努力をしてくれればそれでOKだと、私はいつもそう言っています。
    しかし、私の指示に従ってくれないのは黙認するわけにいきませんので、当人と何度も話しをしましたが、結局最後まで変わらず、わからず、でした。
    ひろ矯正歯科は、全てに私の目が行き届くようにとの目的から、オープンスペースにしていますので、治療内容には一切影響は出ていませんが、「出来ない」 のではなく、「やろうとしない」、「指示を無視」するというのは、医療人以前に社会人として問題であることを自覚し、猛省していただきたいものです。
     

    忘年会は 29日に、久々に美ヶ原温泉の翔峰で行いました。
     

    一番上座にご注目!
     
    毎年、年納めの宴では、スタッフのみんなへの日頃の感謝から目頭が熱くなるのですが、今年は29日当日でさえも技工物の納期無視があったため、用意したいくつかの余興も封印、静かな忘年会でした。
    一部の者のために、一生懸命やっている者までが不愉快な思いをするというのは、何とも理不尽な話です。
    そんな中、産休中のちーやんが赤ちゃんを連れて出席してくれたのは、とても嬉しかったです。
     
    私からの締めは、以下のことをお話ししました。
     
    こんな人間は、、×
     
    ・正直でない奴ーーー自分にも、他人にも
    自分の良いところを伸ばすのも、悪いところを直すのも、全ては自分の言った事、やった事を振り返って、正直に認めて、反省することから始まる。
     
    ・ダメだと思いながらもダラダラとそれを続ける奴
    誰にでも得手不得手はあるし、限界は必ずある。ダメだと思ったら、一度立ち止まって、何がいけないのか、何処をどうすれば良くなるか、考えるべし。ダメだと思いながらダラダラ続けても、何のプラスにもならない。
     
    ・思っていることを相手に言わないのに、相手がいないところでは言う奴
    言いたいことがあったら、相手に言わなければ何も伝わらないし、何も改善しない。何か言いたいことがあれば相手に直接言い、第三者に愚痴の形で言わない。
     
    ・目標を持っていない奴
    何の目標も持たず、ダラダラと時間を無駄に過ごす奴。毎年、その年に達成する目標を書いて貰っていますが、大事なのは、達成できたかどうかではなくて、それに向かって努力したかどうかということ。
    人生一回しかない、人生はいかに短いか、それに早く気付いた奴ほど、人生を有意義に生きる。
     
    注1:ここでは、「人」ではなくて、敢えて「奴」としました。
    注2:「こんな人間は、、×」の「×」は、過激な言葉になるので、「×」としました。
     
    いつも言っているように、私一人がいくら頑張っても、出来ることはたかが知れています。
    スタッフのみんながキチッとやってくれてはじめて、東京や名古屋などから毎月3時間も4時間も電車に揺られて、高速道路を飛ばして、ひろ矯正歯科まで通って来ている患者さんの期待に答えることが出来るのです。
    みんなの御給料は、患者さんが矯正治療を受けるために、一生懸命働いて、一生懸命節約して貯金したお金なのです。
    それを絶対に忘れないでください。
    私だって休みたいし、楽をしたいですが、この仕事をしている限り、毎日精一杯、出来る限りの努力をし続けなければならない、全力で走り続けなければならない、私はそう思います。
     
    わかってくれる人というのは、言わなくてもわかってくれて、わからない人は、何百回言ってもわからないものですが、責任者として、言わないわけにいかないのがつらいところです。
     


    「今年も1年間、本当にお疲れ様でした」、、いつもどおり記念品をお渡しします、、今年は私からではなく、院長代理から、、。
     

    「ハイ、ポーズ!」  ちーやんの赤ちゃん、本当に可愛いです。
     
     
    1月8日には、塩筑歯科医師会の新年会が「松本館」で行われました。
     

     
    市町村合併で、波田町が松本市になり、波田の先生達とは3月一杯でお別れです。
    たいへん御世話になった先生とお別れするのは、本当に寂しいものです。
    思うところあり、歯科医師会は、昨年は完全に距離を置いておりましたが、新年会に出てみて、小さな会なので、このままではいけないと感じました。
     

  • 廣俊明の舌側矯正セミナー

    10月24,25日、東京ステーションコンファレンスにて、「廣俊明の舌側矯正セミナー」を開催しました。
     
    前回セミナーを行ったのは、2001年、約200名の方に参加して頂き、たいへんな盛況でしたが、セミナーが終わってからの後味が悪く、もう二度とセミナーなんかやるもんか、と思っていました。
    しかし、ESLOからは世界で第1号の WBLOを頂いたり、ヨーロッパに ヒロテクニック研究会なるものが出来たと聞くと、私ももう 50才だし、そろそろ若手の先生にリンガルを教える時期かなと思い、セミナーを開催することとしました。
     

     
    3ヶ月前に、JOPなどの歯科関連雑誌3誌に広告を出したのみでしたが、北は北海道から、南は沖縄まで100名の矯正医の先生方に御参加いただき、盛況のもと開催することが出来ました。
     
    1日目は、一般的な Indirect Bonding Systemの手順や利欠点のあと、最新のヒロシステムの手順とキーポイントの解説、Indirect Bondingや Debonding~Retainer setの Clinical video、Hirobracketsの解説、症例はEBOに提出した8症例、日矯専門医の更新に提出した3症例や、Low teen case、さらに受講者の先生が困っている症例の解説などについてお話しをさせていただきました。
     

     
    特に私が力説したかったのは、舌側矯正の anchorageが強いのは、Cortical bone anchorageのためであると 舌側矯正の諸先輩方はおっしゃってきましたが、私自身は全く違う考えを持っておりますので、その事についての解説や、Bowingが起こる理由等々、レクチャーは、「こうゆう場合は、こうしろ!」という形で進めさせて頂きましたので、おもしろくお聞きいただけたのではないかと思います。
     
    セミナー終了後、たくさんの先生から御礼のメールを頂き、なかには、「レクチャ−だけで 50万円以上の価値がある内容だった」との絶賛を頂くと、たいへん嬉しく思いました。
    時間的に余裕がなく、質疑応答の時間が取れなかったのは申し訳なかったと思います。
     
    2日目は、セットアップ模型を使って、レジンコアの作製までを実際に作って頂きました。
    30名の定員満員でしたが、うちの技工士さん達もよく手伝ってくれて、順調に進みました。
    ヨーロッパで同様のセミナーを行うと、1日かかっても終わらない先生が半分くらいいるのですが、日本の先生方はさすがに上手で、4時頃には全ての方がコアまで完成し、この日は質疑応答の時間が十分に取れました。
     

     
    今回、どうしても他の予定と重なってしまって参加できないので、なんとかしてくれという電話や、直メールを結構頂きましたので、急遽2011年3月6日(日曜日)、7日(月曜日)にアンコールセミナーを行うこととなりました。
    場所は前回同様、東京ステーションコンファレンスです。
    前回御参加いただけなかった先生は、お早めにお申し込みください。
     
     
    (以下、おまけ)
     

     

     
    毎日診療で忙しいのに、モンクも言わず手伝ってくれたスタッフのみんなです。
    いつもキツイこと言いますが、すごく感謝しています。
    ありがとう。

  • 日本矯正歯科学会専門医

    第69回日本矯正歯科学会大会が 9月27日~29日、パシフィコ横浜で行われました。
    今回の日矯学会では、専門医の更新のための症例展示を 3症例 舌側矯正で提出し、3症例全て合格しましたのでお知らせします。



    会場の パシフィコ横浜・会議センター


    日本矯正歯科学会の専門医制度というのは、2006年に発足し、私は札幌での初回の専門医試験で合格したことは、過去の院長日誌に書きました。
    この専門医のライセンスの有効期限は 5年間ですので、来年 2011年の 11月に更新を迎えます。

    この日矯専門医というのは、極めて厳格な試験で、全て完全匿名で行われるため、「知り合いだから合格にする」とか、「有名な先生だから合格にする」といった不正が一切まかり通らないようになっており、過去には有名な歯科大学の矯正歯科の教授でさえ落っこちているという、なんとも恐ろしい試験です。

    第一回の専門医試験で合格した者は、2011年に更新時期を迎えますが、この更新のためには、2006年以降に治療を終了し、2年以上の保定を行った新しい 3症例の治療記録を日矯学会等に提出し、合格証明を 3枚貰わなければなりません。
    毎日、診療に、学会準備に、講演活動にと追われている私は、そんなこととはつゆ知らず、来年の更新時期が来たら書類を提出して終わりだと思っていました。。。(世の中そんなに甘くはない、、)

    ちょうど半年くらい前でしょうか、たまたま仲の良い先生と話をしていて、「廣先生は、もうパス貰ったんでしょ?」というので、「何ですか、それは?」という事になって 資料提出の事を知り、「ひえ〜、今まで4年間、なんもしてねえじゃ〜ん! 今年の日矯学会でダメだったら、来年リーチ1発ってこと? それはチョ〜キビシイ!」と、目が点になりました。

    その後、どうせ更新するなら、やはり全部リンガルの症例で出そうと決め、何千とあるカルテの中から 6症例を選びました。
    日矯学会に提出するには、患者さんの同意書が必要ですので、これらの6名の方々は、リコールでお見えになった際にお願いして快諾してくださった方が5名、残りの1名の方には電話で事情を説明して、わざわざ資料採得のために出向いて頂きました。

    これら 6症例(内訳:Angle I 級叢生抜歯症例1例、II 級1類抜歯症例1例、II 級1類非抜歯症例1例、II 級2類抜歯症例1例、II 級2類非抜歯症例1例、III 級非抜歯症例1例)の中から、最終的に3症例をセレクトし、学会の約 3週間前に 提出資料作成着手と あいなりました。

    ところが、、、
    いつもどおり、毎日朝から晩まで診療に追われ、夜はクタクタ、準備しようにも、時間も集中力もありません。
    で、ロンドンの時と同じように、毎朝5時に起きて準備。
    さらに、日曜、月曜の休診日には、朝から夜遅くまで診療室に缶詰で資料作成にあたります。

    日矯まであと1週間という時に、大事件が、、。
    第2症例が、、、保定期間が1週間足りないことに気が付いたのです。
    必死で作成した資料が全て無駄になりますが、自分の不注意ですので、仕方がない。
    でも、気がついて良かった、、気付かずに出していたら、アウトですから。
    大あわてで、他の症例に差し替えです。
    レントゲンや顎模型のデュプリケートを大急ぎで注文し、トレースも原稿も全部やり直し。

    そんなことをしているうちに、専門医試験前日の 9月 25日になってしまいました。
    松本を出る時には、まだ資料が完成していないため、段ボール箱一杯の事務用品とシャーカステンを車に積み込み、ホテルで徹夜で仕上げるつもりで松本を後にしました。
    ホテル到着後は、どこにも行かず、晩御飯も部屋で済ませ、悪戦苦闘。
    幸い、26日の明け方には なんとか仕上がりました。

    目をこすりながら朝食を済ませ、学会の専門医更新会場に向かい、受験票を受け取り、規定に従って症例を展示します。
    展示を終えたら Candidateは退室しなければなりませんので、ホテルに帰って休むことに。
    エレベーターに乗ると、年配の外人御夫婦が僕のネームタグを見て、「JOS?」と声を掛けてくれました。
    「Yes, sir, I have just put my cases,,,」と二言三言、話をすると、なんと、そのお方達は、矯正界の神様、トーマス・マリガン先生御夫妻だというのです!  (私は、治療以外は全く興味がないので、有名な先生の顔など知らないのです。)
    「ほ、本当ですか?! お会いできて感激です!!」と握手し、「僕は先生の本、Common sense mechanicsを持っていますよ!」というと、ニッコリ笑って、「Oh, you poor guy!」と仰って、エレベーターの中で全員大爆笑。



    お昼御飯は、中華街にひとっ走りし、フカヒレが安くて美味しい「東華楼」に。
    しかし、数年前に食べたのと味が違う、麺が違う、、、あ〜残念。


    翌日、火曜日は日韓ジョイントミーティングの シンポジウムに出席。
    Sang-Cheol Kim先生の 「Functional Diagnosis for Class II malocclusion」、伊藤和明先生の 「成長期のClass II症例に用いるファンクショナルアプライアンスについて 〜BJAの臨床的効果〜」、Byoung-Ho Kim先生の 「Surgical strategies in skeletal class II malocclusion」は、特に興味ある講演でした。
    伊藤先生の講演は、上顎の成長抑制をすべきだと思われる症例も BJA単味で治療をされていたので、大ホールではありましたが、挙手、質問させて頂きました。
    というのは、私は下顎劣成長を伴うII級症例には、Activator Headgearを使用して上顎の成長抑制と下顎の成長促進による 極めて良好な結果を得ており、特に II級症例というのは Gummyであることが多いので、Orthopedic forceを使うべきだと考えるからです。
    私の質問に対する伊藤先生の回答では、High pull/Occipital pull HeadgearのCenter of Resistanceについて、すこし勘違いをされているようで、それが Maxillary growth controlを行わず、BJAで治療を行われている理由であろうと解釈しました。

    29日の水曜日、朝食を済ませ、専門医の審査会場に急ぎます。
    ドキドキ、ハラハラ、、、落ちたらどうしよう、、鼓動が高鳴ります。
    予定時間を過ぎても、ドアは閉ざされたまま、、。
    暫くすると、ドアが開放され、中に入ります。

    結果は、、、良かった、3症例とも合格だ!
    ハンカチで額をぬぐい、ふ〜〜っと、深呼吸、、。
    いろんな先生が私の顔をみるなり寄ってきて、「廣先生が落ちるわけないや〜ん!」と言ってくれましたが、僕は自分のことを下手だと思っているので、本当に冷汗ものでした。



    (会場内は写真撮影禁止なので、看板をバックに、事務局の方に撮って頂きました。)


    資料提出に際し、イヤな顔一つせず快諾してくださった患者さんの皆様、本当に有り難うございました。
    矯正医の中には、患者さんがサインしてくれないので受験出来ない、という先生がたくさんいるようですが、その点、私は患者さんのみなさんが理解・協力してくださり、本当に幸せだなと思います。

    先日、患者さんがお見えになった際にも、資料提出に御協力頂いたことに再度御礼を述べ、合格した旨を伝えると、自分の事のように喜んでくださり、本当に嬉しい限りです。
    これだから、一層治療に気合いが入ります。

    私は今まで、自分の治療について第三者評価を得るのを目的として、いろんな試験にトライしています。
    決して高名心で、いろんな試験にリンガルの症例で臨んでいるわけではありません。
    巷では、英会話教室の校長先生が、受ける必要のない英検試験をわざわざ受けて落っこちた、みたいな話も聞きますが、私は今のところ百発百中ですので、「ひろ矯正歯科に行けば、日本/世界で Certifyされた舌側矯正治療が受けれる」という事を証明できていると思います。

    専門医症例展示会場を後にした私は、大ホールに急ぎます。
    Mulligan先生の “Who does your thinking? You or your appliance?”は、最前列でしっかりと拝聴させて頂きました。
    僕も、いつかこんな先生になりたい、、。



    (講演中の写真撮影は禁止です。 これは、講演が終わった直後、内緒で一枚撮りました。 すみません。)


    その他、学術展示では、歯根吸収—破骨細胞に関する演題、relapseに関する演題、フッ化物が歯牙移動に及ぼす影響、ライゲーション〜フリクションに関する演題等々、面白い演題がたくさんあり、たいへん為になる日矯学会でした。

    来年は、11月18-20日、名古屋国際会議場で開催されます。

    追記:
    日矯専門医に関しては、「日本矯正歯科専門医名鑑制作委員会」なるものが製作している 有害サイト が存在します。 このサイトは日本矯正歯科学会とは無関係であるのに、あたかも学会が立ち上げているかのような 紛らわしい記述で書かれており、日本矯正歯科学会でも問題となっているサイトですので、ご注意下さい。

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