2023年12月9日、松本市の「ホテル翔峰」にて 塩筑歯科医師会忘年会が、2024年1月6日、松本市の老舗料亭「松本館」にて 同会新年会が開催されました。
コロナ禍では例会の集まりも殆どが中止になっていましたが、最近はこういった集まりも復活してきています。
まだうちの患者さんにはコロナやインフルエンザでアポイントをキャンセルされる方が多く、個人的にはこういった宴会はかなり抵抗があるのですが、忘年会、新年会とも担当例会でしたので欠席するわけにもいかず、出席しました。
忘年会は席の間隔が少し広めに取られており、お酌をしに回る先生も気のせいか少なかったのですが、新年会はいつもどおり、新年の挨拶がてらお酒を持って各テーブルを回る先生が多く、料理の上で喋られる先生もいて、かなり抵抗がありました。
左が忘年会、右が新年会の様子です
コロナが完全に終息しても、料理を作る人、配膳する人はマスクをして頂きたい、と、個人的には希望します。
こういった宴会がコロナ禍以前と同じように開かれるというのは嬉しいことなのですが、両手を上げて喜ぶことは出来ないよです。
皆さんもコロナ、インフルなど、感染対策は十分以上に行って下さい。
2023年 12月 17日、LTSOAが東京 ヴェルサール神田で開催されました。
矯正歯科という学問は 200年以上の歴史があり、治療後の安定について いろいろな先生、研究者が研究していますが、これをやったらマズい、ということはわかっていても、こうすれば安定する、ということはわかっていません。
矯正治療で歯並びを治せば、ずっと綺麗な歯並びでいられると思っている患者さんがいますが、歯並びは矯正してもしなくても加齢と共にだんだん悪くなるのが普通であり、矯正治療後の歯並びを何もしないでそのまま維持してゆくことは不可能で、きれいな歯並びを維持してゆくには「保定」が必要です。
保定に関しては、通常 2年間の保定期間で終了して、さようなら、また凸凹になったら来て下さい、と言って、再治療を希望する患者さんには再chargeという先生が多いのが実情です。
矯正治療後には保定は絶対必要であるのに、矯正専門医の中には、保定料金を治療代とは別に chargeするという、ちょっと常識外れというか、悪徳っぽいというか、信じられないことを平気でやっている先生もいます。
ひろ矯正歯科では、保定には異物感・発音障害の大きい可撤式の保定装置は使わず、異物感の殆ど無いリテーナーで、最低限 3年間の保定を行っています。
その間は半年に 1回チェックに来て頂き、3年経ったところで外すかこのまま保定を続けるか、外したらどうなるかの説明を行い、外すか外さないかの判断を患者さん御自身にして頂いています。
保定延長を希望される患者さんには、追加料金等は一切無しで、患者さんが希望する限り保定を続けていますが、殆どの患者さんが長期保定を希望されており、20年以上保定のワイヤーが入っている方が多いです。
ワイヤーが付いていてもフロスや歯間ブラシは使う事が出来ますので、虫歯や歯周病になる心配はありませんが、長期保定の患者さんは、最低でも 3年に 1度はチェックに来て頂いております。
時々、ワイヤー切れや脱落などで急患で来られる方がいらっしゃいますが、通常はその対応も無料で行っています。
患者さんの中には、チェック料が欲しいから外してくれない、と思っている人もいるようですが、正直なところ、長期保定は医院にとって大赤字ですので、本当は前述のように 2年で外してサヨウナラ、戻ったらまた再治療を再chargeで行った方が助かるのですが、折角私のところに来てくれて、何年も通ってくれて、高いお金を払ってくれた患者さんに対して、そのような対応は私には出来ませんので、長期保定は完全にボランティアで行っています。
この LTSOA、矯正歯科長期安定研究会という会は、この永遠のテーマである長期安定に関する研究会で、今回が設立されて第1回目の開催です。
「学会」と名乗るには所定の条件があり、これらを満たさない限りは正式には学会とは認められません。
ですので、通常は「研究会」として発足し、実績を積んでから学会に昇格というステップを踏みますが、中には有志が募って勝手に「日本○○矯正学会」などと名乗っているものもあります。
本研究会は、大学の教授も発起人となっており、研究会としてスタートしています。
開催の御知らせが来た際に、「これは絶対に参加したい」と思い、即申し込みました。
実際に参加してみて、初回であるのに200名ほどの先生が集まりました。
第1回学術大会、大盛況でした。(写真は小川先生から拝借しました。)
最近の学会の傾向として、演者が講演時間を守らないために質疑応答の時間が無かったり、時間はあっても雰囲気的に挙手発言しにくかったり、ということが多いですが、本会は参加人数は多いものの、at homeな雰囲気で、私は 3度ほど質問させて頂きました。
質問中のワタクシ。(写真は小川先生から拝借しました。)
症例展示もあります。皆さん熱心に読まれています。(写真は小川先生から拝借しました。)
次期大会は、2024年12月15 日、秋葉プラザで開催の予定です。
私は講演を依頼され、一応、お受けしましたが、もしかすると、辞退するかも知れません。
理由は、登録は先着200名限り、とのことですので、演者も登録が必要かどうか問い合わせたところ、演者も参加料を払って登録、懇親会も参加費を支払ってくれとのことで、理由は会にお金がないからとのことですが、特別講演を含めて演者 6名、たった 6万円のお金が工面できない筈が無いわけで、他に理由があるならばハッキリと言えば良いと思います。
講演するということは、診療時間を削って、寝る時間を削って準備するわけですから、足代も謝礼もない上に参加費用も懇親会費用も支払えというのは、演者に対して失礼だと思うのです。
私は過去30年ほど、ALOA、ESLO、CEO、WSLO等々、海外の学会や大学で講演してきましたし、講演以外にCourseも行って来ましたが、謝礼を要求したことはありませんし、金目当てでやっているわけではありません。
ただ、最低限、参加費は無料、ガラディナーは招待、これは講師に対する最低限の表敬であり、礼儀であると思うのです。
お金が無いとのことですが、参加費 1万円だと 200名集まって 200万円ですが、2万円だと 400万円、3万円だと 600万円になりますから、懐事情が全く違ってきます。
第1回はインパクトと内容から考えて、仮に 2万円取っていても同じ数は集まったと思います。
2024年の参加費は既にネットで公開しているので今さら値上げするわけにもいかないでしょうが、講演するということは、それなりに経費もかかり、診療を削って、或いは寝る時間を削って準備するわけですから、それなりの対応が出来るようにプランニングすべきではないかと思います。
例えばアメリカの著名な先生をオンラインでライブ公演して頂き、会場で流す。
オンラインなら講師の航空券もホテル代も必要無く、薄謝で済みますし、十分に集客力はある筈で、時差を考えても十分に実現可能な筈です。
参加費も、例えば、入会金 5000円、参加費は会員 15000円、非会員 25000円、と設定すれば、非会員で参加するよりも入会した方が安くなり、より多くの入会者を獲得できる筈ですが、こういった工夫もされていません。
繰り返し書きますが、僕はお金目当てで講演などやっていませんし、要求したことなど 1度もありませんが、礼を失することは大きな問題であり、折角面白い会が出来たのに、その芽を摘むような事にならないようにと思いましたので、大会長に連絡させて頂きましたが、軽く遇われたというのがその理由です。
どんな学会でも研究会でも、座長として壇上の座長席に座るということは、座長としての役割と務めがあり、大会長には大会長としての責任と勤めがついて回るもので、名誉以外に義務や責任がついて回ると思うのですが、、。
ひろ矯正歯科では 現時点では アライナー矯正(一般の方はマウスピース矯正と言いますが、私達はマウスピースという言葉は使いません)は行っていませんが、過去の院長日誌に書いたように、近年、アライナーはソフト、ハードの両面で著しい進歩を遂げており、アライナーは近い将来、世界中の矯正治療の大部分を占めるようになると思われます。
12月2-3日、日本アライナー矯正歯科研究会が 東京ポートシティ竹芝で開催されましたので、参加してきました。
翌日は後述の Swedentisに参加のため、1日のみの参加でした。
Meetingは、会長の尾島賢治先生の講演から始まり、その他多数の先生が講演されました。
アライナー矯正の最大の問題点は、矯正歯科の基本的知識が無い歯科医師が安易に手を出し、泣きを見る患者さん(=被害者)が多いということです。
長野県内にもアライナーを始める先生が増えていますが、患者さんの皆さんはあとで泣きをみないよう、やめた方が良いと思います。
先日も県内の歯科医院でアライナーを 2年やっているが、治らないと相談に来られた患者さんがいましたが、お口の中を見て絶句、現状を正直に説明して、キチンと治したいなら、キチンと検査・診断をして、1からやり直す必要があるといことを御説明しました。
アライナー矯正を希望する方は、県内の歯科医院は避けて、尾島先生のクリニックまで通われた方が良いと思います。
翌日、12月3日は東大安田講堂で Swedentisなる学会が開催されましたので、参加してみました。
日々診療していると、いろんなセミナーや学会の案内が来ます。
殆どは右から左ですが、あまりにも内容がアレかな、というものは参加してみることがあります。
この会は、光加速矯正というのを詠っており、矯正治療中の患者さんにある種の光を当てると歯の移動が速くなるというものです。
自分の知っている限りでは、そのようなことは evidence baseで研究された報告がないので、試しに聞きに行ってみましたが、、、アレでした。
ただ、会自体を全否定するものではなく、含嗽剤や齲触治療薬などは実際に有用だと思われましたので発注し、私自身が試しに使ってみています。
良ければひろ矯正歯科でも患者さんに用い、患者さんに販売する、かも知れません。
東大安田講堂と赤門です。ありがたさを感じました。