昨年、イタリア国立フェラーラ大学歯学部矯正学講座から非常勤教授を拝命され、Mastersや Professor達を相手に講義をするために、2月21日、Ferrara Universityに行って参りました。
フェラーラ大学と言っても日本では御存知ない方が殆どだと思いますので、まず簡単に紹介したいと思います。
フェラーラ大学というのは、歴史を遡れば1392年に設立された、イタリア全土で2番目に古い、由緒正しい大学です(イタリアで一番最初に設立されたのは Bologna大学です)。
帰る朝、P.TTA DEL CASTELLOにて、、、モデル立ち!
イタリアの教育システムは、日本の 6-3-3-6(医科・歯科)とは異なり、Elementally schoolが 5年、 Middle schoolが 3年、High schoolが 5年、そして Dental schoolが 5年です。
18年間の教育を終了して、歯科医師国家試験に合格すれば歯科医師として働くことが可能になりますが、イタリアの歯科大学は全て国立ですから、イタリアで歯科医師になるということ自体、並大抵の事ではなく、イタリアの大学に入れないので、他国の大学に行くという人もいるそうです。
晴れて歯科医師免許下附となっても、矯正歯科専門医になるには、そのあと3年間の矯正専門の研修を積みます。
さらに上を目指して研鑽を積みたい先生は、1年以上の Master courseを履修します。
日本には現時点で 29校の歯学部が存在し、1学年の学生数は大学によって異なりますが、少ない大学では1学年約 40名程度、多い大学では 120名程度(間違っていたらごめんなさい)の学生が歯科医師を目指して勉強をしていますが、イタリアでは大学数は日本とほぼ同じであるものの、学生数は極端に少なく、例えば Ferrara Universityでは1学年16名(!)です。(ちなみに人口は日本が1億2700万、イタリアは5800万人です。)
どうりで、20年ほど前に C.H.Tweedの courseを Arizonaの Tucsonで受けた時も、イタリア人はたいへん優秀でした。
舌側矯正は1970年代半ばに debutし、現在 30余年が経過しました。
矯正治療の盛んなアメリカでは、国民性からか舌側矯正は殆ど行われていませんが、アジア・ヨーロッパでは非常に盛んに行われつつあります。
臨床に一生懸命なだけでなく、臨床を裏付け、サポートするための researchも In vivo, In vitro, Microscopic, pathological etc.、非常に多岐にわたって行われています。
日本の舌側矯正事情は後述するとして、現在、ヨーロッパの矯正歯科をリードするのは、フランスでは Paris V大学、ドイツでは Munster大学でしょう。
これらの大学はまさにヨーロッパだけでなく、世界中のThe Best of the Best、なぜなら舌側矯正は矯正歯科界の中でも頂点であり、モータースポーツで言えば Formula 1の世界です。
そんな凄い世界に、舌側矯正専門の Master courseが Ferrara大学に設立され、自分の約 20年間の舌側矯正に対する努力と治療のクオリティが認められ、非常勤教授として招かれましたので、僭越ではございますが、少しでもお役に立てればと思い、行って参りました。
留守の間、診療室を閉めなければならないし、飛行機代も少ししか出ないし、、正直困ったのですが、断るわけにもいかないので、講義の前夜にイタリアに到着し、翌朝から日没まで1日講義を行い、その翌朝に帰路に着くという2泊3日の、まるで弾丸トラベラーのような強行軍でした。
着後、Professor & Chairmanの Dr.Giuseppe Sicilianiと他の名高いProfessor達が Dinnerに招待してくれました(写真を撮る雰囲気ではなかったので、写真が無いのが残念です)。
宿泊は Ferrara大学から歩いて3分ほどの所にある4つ星ホテル、Hotel Principessa Leonaraを大学が用意してくれました。
このホテルは、これまた16世紀に設立された由緒正しき歴史的価値のあるホテルです。
最近の中●系資本のゴージャスホテルのように1泊5万も6万もする不当に高いホテルではありませんが、Private Gardenを備えた、静かでゆっくりとくつろげる素晴らしいホテルでした。
講義はこの部屋で行いました。
大学がまた歴史的建造物で、素晴らしい建物です。
お昼休みにシシリアーニ教授が大学の診療室を案内してくれました。診療室では8台のユニットが個室形式で配置されていました。
私の講義は、舌側矯正の歴史、インダイレクト・ボンディングの歴史、最新のマテリアルを使った Hiro systemのprocedureと、他の Indirect Bonding Systemとの比較、European Board of Orthodontistsの試験に提出した舌側矯正8症例の紹介、若年者(Low teen patients)に対する舌側矯正、さらに Lingual Straight Wire Appliance等について詳細に説明し、講義を行いました。
シシリアーニ教授からSTbについて聞かれ、「私は50症例ほど治療したが、今は使っていない」と、正直に言うと、顔色がかわりました、、(やべえ、、でも、嘘をつくよりイイかな、、。)。
他にもいろいろ話したかったのですが、時間切れでお見せすることが出来ませんでした。
やはり20年間を1日で話すのは無理です。
講義終了後、感謝状を頂きました。
向かって左の背広を着ているのが Professor & Chairmanの Dr.Siciliani、右のセーターを着ているのがProf.Scuzzoです。
その夜は Residentsと数名の教授達が晩御飯に連れて行ってくれました。
Pizza専門店で、みんなワイワイガヤガヤ、楽しいひとときでした。
僕の左側に座っているのが、イタリアの舌側矯正学会(Associazione Italiana Orthodonzia Linguale)の会長のDr.Lucci、右側の女性は、僕がEBOの試験管であり現 EBOの会長である Dr.Moserのすぐ近くで開業しているDr.Ganthallerです。
勉強する時・仕事をする時は一生懸命真剣に、ひとたびオフタイムとなれば、陽気で楽しい人達です。
翌朝、帰る支度をしたあと朝食を取りながら教授と話していると、イタリアの矯正歯科事情について話してくれました。
全く矯正のトレーニングを受けていない先生が1泊2日の矯正の講習会を受けただけで、矯正のブラケットを購入し、翌日から患者さんに矯正治療を勧める。
ホームページには舌側矯正の写真を掲載し、それを見た患者さんが舌側矯正を希望すると、舌側矯正はやめた方が良い、という先生はまだましなほうで、出来ないのに手を出して大変な結果になって泣きついてくる患者さんが後を絶たないそうです。
う~ん、日本と全く同じだ、、。
今や、治療を受ける側が選球眼を持たないといけない時代なんですね。
ひろ矯正歯科では、外側から治療するか、裏側から治療するかは全て患者さんに決めて貰っています。
ホームページを見て、舌側矯正をしたいから訪ねて行ったのに、いざ先生に舌側矯正希望である旨を話したら、あなたは例外的に無理だと言われて外側の治療になってしまった、ということはありませんので、ご安心下さい。
帰りの当日、朝食をすませて1時間ほど近所の散策に出掛けました。
ヨーロッパの街には至る所にこうゆう広場(Piazza)があり、憩いの場となっています。
P.TTA DEL CASTELLO前のPiazza Treno Triesteでは朝市をやっていました。
朝食は、こうゆうホテルではタダの事が多いのですが、このボローニャ・ソーセージといい、パンといい、とっても美味しいです。
Bologna空港からFerraraまで高速道路をカッ飛んで約1時間ですが、行きも帰りも大学の方が送迎してくださり、助かりました。
成田はポカポカの春のような陽気で半袖でしたが、松本はものすごい吹雪でした、、とほほ。
皆様、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
昨年は皆さんにとってどんな年でしたか?
私たちは相変わらず体を休める暇もないほど大忙しでした。
どんな状況でも、何一つ文句を言わないで僕についてきてくれ、一生懸命患者さんに尽くしてくれたスタッフのみんなには本当に感謝しています。
この場を借りて御礼を申し上げます。
中央道から富士山をのぞむ
成人の日は厄除けで有名な金峯山 牛伏寺の縁日大祭です。
例年どおり、参拝、御祈祷をしてもらってきました。
今までは山麓線から上は車両進入禁止となっていたのですが、今年は通りから半ばほどにある蕎麦屋の所まで車での進入が可となりました。
何故そうなったのかはわかりませんが、当然ながら駐車場待ちの車は大渋滞で、エンジンをかけたままの車が殆どなので、徒歩で参拝の人達は排ガスだらけの中を歩いてゆくことになり、気持ちの良いものではありませんでした。
さらに、時折上から降りてくる車があり、道幅が狭い上にうっすらと雪が積もっていましたので、非常に危険でした。
来年は再び車両新入禁止となることを希望します。
夜は三九郎です。
自分は三重県出身なので、むこうでは三九郎でなく、「どんど焼き」と言います。
信州に来た当初、三九郎で子供達が木の枝に赤や白の丸い物を付けて焼いているので、「それなあに?」と聞くと、繭玉だと教えてくれました(長野県の方は御存知ですね)。
この丸めたお餅を柳の枝に付けて、三九郎の火で焼いて食べると、虫歯にならないといういわれがありますが、虫歯だけでなく、1年間の無病息災を祈念する人も多いそうです。
これが繭玉です。
12日の土曜日には、塩筑歯科医師会の新年会が松本館で行われました。
開業して以来いつも欠席してばかりでしたので、今回で3度目か4度目の出席です。
「お~、よく来たじゃん、良かった良かった」と言ってくれる先生がいると、社交辞令でも本当に嬉しいものです。
14年前、矯正専門で開業した当初の苦しさを無事乗り越えることが出来たのは、塩筑の先生方が応援して下さったからに他なりません。 今の自分があるのは、塩筑の先生方のおかげです。
先日、例会でお話をする機会を与えていただいた際、聞いて頂きたい先生が退室されてしまったのは残念でしたが、下島先生はじめ、いろんな先生が「良かったよ」と言葉をかけて下さったのは本当に嬉しかったです。
今年も頑張りますので、皆様、御指導御鞭撻の程、宜しくお願いいたします。
昨年は振り返るといろんな事件がありました。
不二家をはじめ吉兆、赤福、ミートホープらの食品偽装、イージス艦の情報漏洩、コムスンの介護報酬不正請求、生保910億円不払い、NOVAの授業料持ち逃げ、防衛省汚職、郵政民営化、薬害肝炎問題、、。
信じられないような事件や事故も多発しました。
やはり許せないのは、年金でしょう。
以前、1円盗んで捕まったという記事が新聞に載っていましたが、人のお金を盗んだら1円でも窃盗罪で警察に捕まるのに、なぜ年金は人のお金をちょろまかして逃げてしまっている人がいまだにたくさんいるのでしょうか。
政府は時限法案を作ることが出来るのですから、年金に関しても時効撤廃し、徹底調査・厳罰とするのが当然のように思いますが、そう考えるのは自分だけでしょうか。
わたしはこうゆう弱者を食い物にしたり、人の信頼を踏みにじるようなことは絶対に許すことができませんし、許されるべき事ではないと思います。
テロ特が強行採決、給油続行が決まったようですが、日本の政治家は一体何を考えているんでしょうか。
アメリカに媚び、給油再開するより、テロ特が切れたことを理由に給油活動から撤退し、日本は違う方法で平和貢献します、と方向転換をする絶好の機会を逃してしまったことが残念でなりません。
以前、東大生相手の番組で、東大生の殆どが政治家になりたいと言っていたのを思い出しました。
驚いたのは、その理由で、一人残らず「将来が保証されているから」「天下りで遊んで暮らせるから」と答えました。
日本のトップであるべき筈の東大生が全国放送のテレビ番組でそんなアホなことを平気で言うのですから、世も末です。
「今の政治じゃ日本がダメになる、自分が政治家になって日本を良くしたい!」と言う人は一人もいなかったのです (東大がアホなのではあありません。アホなのは、そこに出ていた学生達です)。
金が足りなくなったら金の使途を見直すのではなく、さらなる負担を国民に強いることばかりで、政策と言えば一寸先の事しか考えていない。
薬害肝炎は最終的には被害者全面救済となりましたが、おかしいと思いませんか?
何故に被害者が自分の人生を何年も棒に振って政府と戦わなければならないのでしょうか。
遅すぎるでしょう。
立場が逆でしょう。
製薬会社が悪いのだという考えもあるでしょうが、もちろん、製薬会社が一番いけない。
でも、それを許可した薬事関連のお役人はもっといけないことをしているからこうなったんじゃないでしょうか。
被害者救済だけでなく、そのへんもきちんと調査し、同じ事を繰り返さないようにしなければならないと思います。
薬害エイズ、薬害肝炎、、、2度あることは3度あると信じたくないです。
もう一つ。
飲酒運転をする人が いまだになくならないのは、一体どうゆうことでしょうか。
尼崎での事故は危険運転罪が適用されませんでしたが、そもそも道交法に「酒気帯び」と「酒酔い」の区分があるのがおかしいのではないでしょうか。
酒を飲んで車を運転するなど もってのほか、僅かでも酒が検知されたら即・危険運転罪適用、執行猶予無しの厳罰化としないと、いつまで経っても悲惨な事故は無くならないと思います。
法律で根絶出来る問題なのですから、政治家はなんとかして欲しいものです。
かけがえのない大切な家族を殺されるような事件が1日も早くゼロとなるように希望します。
インターネットに悪口を書き込まれて自殺したという事件も忘れられません。
愛する我が子が殺されたら、私だったらどうなってしまうか 想像も出来ません。
昔は誰かの悪口を言っても、言った人が誰かわかっていますから、言う方も慎重になったし、言った後で反省・仲直りも出来ました。
しかし、インターネットによるイジメは、極めて陰湿で、卑劣な「犯罪」です。
最近は子供も携帯をもっていますから、書いて良い事と悪い事の判断が出来ない場合もあるでしょうが、取り返しのつかないことです。
ましてや、大の大人が 誰かを陥れるために故意に書きこむことは人間性を疑います。
以前、「太田総理」で「インターネットで無記名の書き込みは禁止します法案」が出ましたが、私は大賛成です。「過去の分についても書き込んだ者を公開します法案」が出来たら、青くなる人が一体どれくらいいるでしょうか。
歯科の苦しい状況改善にむけて、本年の4月に診療報酬改定が行われます。
今回は0.42%のアップとなるそうです(今まで1000円だったものが1004円となるらしいです)。
自分は矯正歯科専門で、保険のことはよくわかりませんが、改悪一方であったことから考えると、一見、明るい知らせに見えます。
ところが最近、治療に際していろんな書類を作ることが義務化されました。
なぜこんなに書類が増えたのかなあと不思議に思っていたのですが、書類が増えたことで歯科医師の診療時間が減少し、医療費抑制にかなりの効果を上げているそうです。
でも、頭はもっと違う方向に使うべきではないでしょうか。
日本の医療問題はすでにもっと深刻なものになっている、そんな事をしている場合ではないと思うんです。
例えば、技工士問題です。
全国的に歯科技工士を志望する学生数が減っており、松本歯科大学の技工士科もとうとう廃止されてしまいました。
現在、長野県内には歯科技工士を養成する機関が1つもないのです。
さらに、全国の技工士免許所持者で歯科技工の職についている人は、じつに50%以下です。
歯科技工士になる人が少ない上に、歯科技工士の免許をもっていても歯科技工の職につく人が少ないのです。
低賃金、長時間労働を強いられる過酷な労働環境、当然と言えば当然です。
政府が無駄な出費を抑えないで必要な医療費まで削減する→歯科医が苦しくなる→技工士さんの仕事がますます低賃金でキツイ物になる→歯科技工の職を目指す者がいなくなる→歯科医は診療が出来なくなる→歯科医療崩壊、、、の道を辿ってゆくことは明らかです。
歯科技工士がいなければ、歯医者は患者さんを治療することは出来ないのですから(レ充とCAD・CAMだけで技工士の代わりは務まりません)。
この悪循環を絶つには、歯科技工報酬を社会保険制度の中に組み込み、仕事に応じて所定の所得が得られるようにするなど、国として対応することが必要であると思います。 1988年に厚生大臣告示で社会保険診療報酬点数表中、第11部歯冠修復及び欠損補綴の通則5に「歯冠修復及び欠損補綴には、製作技工に要する費用が含まれ、その割合は製作技工に要する費用がおおむね100分の70である」とのガイドラインが公示されましたが、この告示がどのような効果があったかというのは、20年経過した今現在の歯科技工士事情をみると明らかです。
ひろ矯正歯科でも、以前非常に優秀な技工士さんがいました。
彼は本当に腕の良い技工士さんで、人間的にも素直で良い人だったんですが、彼の友達が鳶職をしていて、たいへんな高級取りだったので、彼も技工の職を捨てて、建築関係の仕事に転職してしまいました。
歯科技工士だけでなく、最近は あらゆる仕事で自分の仕事に誇りとこだわりを持っていてる人が非常に少ないように思います。
我慢をするということを知らない人が多く、ちょいと気に入らないと、すぐに辞めてゆく。
金が全てじゃない、この仕事は自分じゃなきゃ出来ないんだ、自分がやりたいのはこの仕事なんだ、という職人気質・プロ根性を持った人は、日本からいなくなってしまうのでしょうか。
政治家も2代目3代目が増え、こんな人に日本の将来を任せていたらダメだ、と思う人が多いです。
このままじゃあ、日本は崩壊することは間違いありません。
1日も早く「日本をどげんかせんといかん」です。
自分は元来、政治にはあまり関心のある方ではありませんが、最近は選挙が待ち遠しくて仕方がないです。
直接選挙になる日が来ることを強く希望します。
まだまだ書きたいことは尽きませんが、今日はこのへんで、、。
本来、この院長日誌は活動記録で、私の個人的な意見やプライベートなことは書かないのですが、いろいろと考えることがあり、思うがままに書き綴ってみました。
本年も宜しくお願いいたします。
注)「アホなこと」、「馬鹿げた」という言葉は敢えて使用しました。
日本舌側矯正学術会例会が11月23日、東京の都市センター会館にて開催されました。
本大会で話をしてくれないかと会長の松野先生から御連絡を頂きました。
諸先輩をさしおいて 僕ごときがしゃしゃり出るべきではないと、ご辞退申し上げたのですが、是非にとのお言葉を頂きましたので、僭越ではございましたが、舌側矯正に必要なラボラトリーワークについてお話しさせて頂きました。
トップバッターは、パリ、ロンドンなどで舌側矯正専門で開業している Fillion先生。
次に、南青山の小谷田先生。 東京、南青山です。
次に、九段の竹元先生。 千代田区。 靖国神社の正門前です。
で、謎の人物登場、、、僕です。 「塩尻市? おい、塩尻市ってどこだ?? 人口6万人だってよ、、。 長野の山奥だってよ、、。」って声が聞こえてきそうで、、。
しんがりは、大阪の布川先生。大阪府、です。
Fillion先生は “Hiro System”を紹介して下さいました。
今回はジョーク抜きで硬く行こうと思っていたのですが、小谷田先生のお話はいつも通りのユーモアーたっぷりで、すっかり僕のボルテージが上がってしまい、僕も急遽ジョークを追加しました。
ラボの話を、ということだったのですが、ラボの話だけして、「あんた、治せるのか?」と思われては、ラボが大切だという言葉も説得力を持たなくなりますので、まずは European Boardの8症例, Growing case, LSWA, Kurz, Creekmore, STbに加え、僕オリジナルの Hiro Bracketsによる治療例、Micro Implantの症例など、21症例ほど御紹介した後、本題のラボの話に入らせて頂きました。
本当は28症例、計688枚のスライドだったのですが、時間の関係から急遽削除して臨みました。
時間が押していたので、大事なことを言うのを忘れてしまいました。
現在、歯科医師募集中です、って言おうと思っていたのに、、。
会場は超満員で申し込みをお断りするほどの盛況であったそうです。
締めのお言葉は、会長の松野功先生。
「舌側矯正は、時間がかかる、ちゃんと治らない等々の説明をする先生が多いですが、今や外側と同じ治療期間で同じ治療結果を得ることが可能です。 患者さんには、正しい情報を提供するのが私たち医療人としての使命です。 時間がかかる、ちゃんと治らない等々の説明をしたい先生は、『私が治療すると、時間がかかります』、『私が治療すると、ちゃんと治らない』と、言ってください」と おっしゃいました。
これには全く同感、さすが松野先生、良いことを仰いました。
じつは、こうゆう説明は日本だけでなく、世界中で見られることなのです。
つい先日までは舌側矯正の事をボロクソに言っていた先生が、ある日突然、舌側矯正を始める、、、おかしいと思いませんか? だったら最初から、松野先生が仰るように、「自分はまだ経験不足なので、、、」と、患者さんに正直に言えば良い。
お医者さんは自分の手に負えないと判断したときは、躊躇なく然るべき病院を紹介します。 勉強しているから、他医に紹介することを恥だとは考えない。 ところが、歯医者は、なんだかおかしい。 「自分に出来ない」ということを恥だと思っている先生が非常に多い。 自分の勉強不足を恥だと自覚するなら、ゴルフや麻雀を少し減らして、勉強すれば良い。
勉強している先生は、お互いの専門性、得意分野を理解し合い、紹介する際には自信をもって紹介状を書きます。
あまり書くと、また風当たりが強くなりますので、このへんでやめときます。
次回の日本舌側矯正学術会は 3月20日の予定です。
皆さん、是非ご参加下さい。