初診時 20歳の女性、上顎の前突と下の歯の叢生を主訴に来院されました。
また、親不知が4本埋伏しており、一般歯科で抜歯をした方が良いと言われているが、どうしたら良いかという相談を受けました。
初診相談の後、検査を希望されましたので、相談のあと、ひととおりの検査を行いました。
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診断結果:
Angle Class II div.1 subdivision(Lt: 3.0mm)
Skeletal I (ANB 4.5)
ALD: -1.0/-7.0 mm
OJ/OB: 6.0/3.0 mm
Midline: A/A 2mm shift Lt
Excessively protruded A/A incisors
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治療後の側貌予測図をお見せして、御納得頂いた上で、上記診断のもと、右上4、左上4、右下4、左下4を抜歯し、矯正治療を開始しました。
患者さんの希望で上下とも外側からは見えない、裏に矯正装置を付けました。
装置は私が開発した “mienai bracket” を使用しています。
噛み合わせが深いため、上の前歯の矯正装置と下の前歯が当たって、奥歯が噛めなくなるために、奥歯にレジンを盛って噛めるようにして治療を進めて行きます(Resin build up)。
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治療開始から 4か月後の状態です。
すでに上の歯の突出や下の歯の歯並びが改善されていることがわかります。
上顎前歯を後退させるためにインプラントアンカーを用いています。
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治療開始から1年2か月後の状態です。
上の歯の突出が改善され、下の歯の歯並びも綺麗になっています。
インプラントアンカーは除去しました。
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治療開始から 2年1ヶ月、最終仕上げを行っているところです。
上の歯の突出や下の歯の歯並びは綺麗になり、抜歯した部分も完全に閉じています。
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治療開始から20回の調整を行い、2年3か月で治療が終了しました。
治療前の著しく前突した前歯は後退し、凹凸が改善されています。
写真は装置を外した当日の写真ですので、裏側の歯肉辺縁が赤くなっていますが、歯周ポケットはなく、赤い部分は1ヶ月後の来院時には綺麗に引き締まった歯肉になっていました。
かかった費用は、初診相談料、検査・診断料、矯正基本料、抜歯料、調整料、消費税を含め総額で 141万 6,000円でした。
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治療終了から約3年後の状態です。
綺麗な歯並びが維持されているのがわかります。
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上は治療前の顔面写真、下が治療後の顔面写真です。
治療前に著しく突出していた口元が劇的に引っ込んでいるのがわかります。
治療前後の側貌頭部X線規格写真の比較です。
左が治療前、右が治療後です。
著しく前突していた上下前歯が後退し、口元の突出も改善されているのがわかります。
親不知は水平埋伏していたため、放置すると第二大臼歯の歯根吸収を起こしますので、口腔外科専門医に依頼して抜歯をしました。
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