10月22-24日、名古屋国際会議場にて第61回日本矯正歯科学会が開催されました。
日本矯正歯科学会はその名の通り日本で最大の矯正歯科学会ですが、ここ数年、あまりimpressiveな演題がなく、参加意欲があまりわかないのが正直なところでしたが、今年は Implant anchorage ならびに Distraction osteogenesis に関する演題が多く、たいへん実のある話を聞くことが出来ました。
Implant anchorageを利用した矯正歯科治療は15年くらい前から報告されておりましたが、殆どは口蓋部分にボタン大のものを打ち込んで行われたもので、矯正治療中に炎症を起こしてしまったり、術後の骨欠損が大きく認められたり、さまざまな問題がありました。
ところが最近では、Berlin の ESLO で KOREA の先生が発表されていたように、小さなスクリューを下顎枝や上顎結節舌側部分にねじ込んで行われており、operation に要する時間も数分間と短く、術後の疼痛や骨欠損も全く問題のないところまで改善されてきております。
Distraction osteogenesis に関しては、香川県の三次正春先生の講演と、VenezuelaのCesar A. GUERRERO先生の特別講演は大変ためになりました。
Distraction は、今までは Distractorを入手すること自体が困難であったり、費用的な問題や、手術時間の問題など、問題山積でしたが、この先生方の講演を聴いて、これからの矯正歯科は Implant anchorage ならびに Distractionを併用することは不可避であると感じました。
この2つを併用することで治療範囲が飛躍的に広がります。
私たち矯正専門医は、口腔外科医とタイアップして、これらについていつでも対応出来る環境を整備する事が必須であると思われました。
また、今まで私は Corticotomyに関してもどちらかというと否定的でしたが、今後は必要があれば行うべきであると、また同時に、それを行てくれる口腔外科医の確保が必要であると感じました。
学会あけて翌日25日は、名古屋中小企業振興会館にてインプラント矯正研究会が開催されました。
研究会の趣旨そのものも、たいへん共感できるものです。
日本にこうゆう研究会がもっと増えるべきだと思います。
日矯学会~インプラント矯正研究会まで、4日間フルに勉強させていただきました。
貴重な講演を聴かせて下さった先生方、ありがとうございました。