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2023/09/01 14:19 [xxx.66.224.108]
しろさんへ
はじめまして。
下顎前歯2本のみが永久歯で上顎はまだ乳歯であれば、まだ治療のタイミングではないと思います。
現時点で切端位が取れるのであれば、上顎前歯が永久歯に交換する際に前歯部反対咬合が自然と治ってしまうことが考えられます。
上の前歯が永久歯に交換しても、前歯部が反対咬合でしたら一期治療が必要ですが、レントゲンを撮って上顎前歯の歯根がほぼ完成してから、治療は上顎前歯の唇側移動を行いつつ、下顎の成長抑制を行うようになると思います。
お父さん、お母さんが著しいシャクレ顔で、遺伝的要因が非常に強く、すでに著しいシャクレ顔になっているのであれば、その年齢からチンキャップや上顎前方牽引装置などを使うことはありますが、稀です。
私が上顎前方牽引装置を殆ど使わない理由は、効果が得られにくいということ、チンキャップで骨格的な問題を解決出来る事が多い、ということです。
ただし、絶対使わないというわけではなく、著しい上顎劣成長+下顎過成長の患者さんにおいては、上顎前方牽引装置を改造してチンキャップと併用して使っている患者さんもいます。
私なら拡大床は使いません。
永久歯の生える隙間が足りないから、アゴを拡げないといけない、と言って拡大床を使う先生が多いですが、拡大床では歯が動くだけでアゴの骨は拡がらないことが多く、側方歯群が永久歯に交換した後、結局抜歯が必要になることが多い、あるいは永久歯が生え替わって抜歯が不要な場合は、拡大床を使わなくても元々非抜歯症例である、ということが多いです。
身体が大きくなるときに、アゴも成長しますので、拡大床の使用自体が無意味なことが多いです。
上顎の臼歯部が狭窄していて、上顎骨の拡大が必要な場合には、急速拡大装置を使って、確実に上顎骨を拡げます。
成長のピークは男の子で 14才前後、女の子で 11才前後であり、この時期は下顎が前下方に成長してくるので、要注意の時期です。
男の子であれば成長は 17〜18才位まで、女の子であれば 15〜17才位まで続きますが、骨格性下顎前突の患者さんは、晩期成長と言って、いつまでもジリジリと下顎の成長が続くことがあり、成長のコントロールをしているにも拘わらず、最終的に外科手術が必要になることがありますが、文面を読ませて頂いた限りでは、その心配は無いと思います。