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スタッフブログ

  • 2008/12/11

    フッ素について

    みなさん、こんにちは!!
    受付のあんちゃんです。
    今回、私はフッ素について調べ、12/6の勉強会で発表しました。

     

    ☆フッ素とは??
    地球上にある約100種類の元素のひとつ。(Fluorineといい、元素記号はF)。
    反応性が強く、他の元素と必ず結合し、フッ化物(Fluoride)として存在している。
    フッ素は人間の身体の中では13番目に多く、海水中では12番目に多い元素!
    人の身体全体で平均すると、体重1kgあたり42.8mgのフッ化物が含まれている。
    生体必須栄養素として、1日3g必要とされている。

     

    単位:ppmピーピーエム(part per millionの略で、100万分の1の割合を表す)
    %(100分の1の割合)
    mg(1000分の1の割合)
    mgF(1ppmの水1Lのフッ化物量)
    ex)フッ素濃度1ppmとは...
    ⇒物質1kg又は1Lあたり、1mgのフッ素を含むという意味。

     

    ☆フッ素が多く含まれる食品 (単位:ppm)    
    塩     25.9          いわし     8~19.2
    えび    4.9           海藻      2.3~14.3
    砂糖    1.7~5.6        牛肉     2
    味噌    0.9~11.7       じゃがいも   0.8~2.8
    ビール   0.8           大根     0.7~1.9
    りんご   0.2~0.8        紅茶     0.5~1.0

     

    <その他>
    海水    1.3           地中      280
    川水    0.1~0.2        水道水     0.08~0.8(平均0.098)
    ↑   
    濃度に差がありますが、これは寒い地域の人に比べて、
    温暖な地域に暮らしている人は、1日に摂取する水の量が
    多いので、最適なフッ素濃度はその地域の年間の平均気温
    を基準として決定されているため。

     

    ※フロリデーション
    ・水道水に自然に含まれているフッ化物イオンの濃度を歯の健康にとって
    最適レベルに調節すること。
    ・う蝕予防効果は40~70%
    ・においや味は、普段の水道水と変わらない。
    ・現在、日本では行われていない。
    ・世界の実施割合
    シンガポールと中国の香港特別行政区 100%
    マレーシアとアイルランド 70%
    オーストラリア 67%
    アメリカ 62%
    ニュージーランド 60%

     

    Q.う蝕予防のフッ化物と食品に含まれるフッ化物は同じ??
    ⇒性質は全く同じもの。
    う蝕予防に用いられるフッ化物は、フッ化ナトリウム(NaF)が多く使われるが、
    天然の岩石のほたる石や氷晶石から精製されるので、天然のフッ化物そのもの。
    このフッ化ナトリウムは、水に溶けるとフッ化物イオンになり、食品に含まれる
    フッ化物は、フッ化物イオンとして存在しているので、性質は全く同じもの。

     

    ☆歯に対する効果は??
    1.歯の質の強化(耐酸性増強)
    フッ素が歯に作用すると、歯の表面のエナメル質の結晶が安定し、
    ミュータンス菌の出す酸に対する抵抗力を強める。
    (歯の表面を酸に溶けにくい質に改良する)
    2.初期う蝕を修復(再石灰化促進)
    フッ素は、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンとともに歯の表面に
    沈着し、虫歯になりかかった部分の再石灰化(カルシウムやリンなどの再沈着)
    を促進させ、エナメル質の生成を助ける。
    3.ミュータンス菌の酸産生を抑制
    ミュータンス菌が酸を作るのに必要な酵素に作用して、虫歯の原因となる酸が
    作られるのを抑制する。

     

    ~フッ化物とエナメル質の反応~
    エナメル質のハイドロキシアパタイトの結晶がフッ素に触れ、
    耐酸性のあるフルオロアパタイトの結晶に置き換わることによって、
    歯質が強化される。
    ・低濃度フッ素(洗口や歯磨剤)の場合
    Ca10(PO4)6(OH)2+2Fヒ堰iハイドロキシアパタイト)

    Ca10(PO4)6F2(OH)ヒ堰iフルオロアパタイト)
    ・高濃度フッ素(フッ化物塗布)の場合
    Ca10(PO4)6(OH)2+20Fヒ堰iハイドロキシアパタイト)

    10CaF2+6PO4 3ヒ・20Hヒ堰iフッ化カルシウム)
    Q.ハイドロキシアパタイト??
    水酸化リン酸カルシウムのことで、骨や歯の主成分。
    歯のエナメル質の95%以上を占め、象牙質やセメント質の60~70%を
    占めている。エナメル質よりも少し柔らかい程度の硬さで、酸性によく
    溶ける性質をもっている。
    Q.フルオロアパタイトとは??
    ハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換することによって
    生成される成分。ハイドロキシアパタイトよりも強い耐酸性能力を持ち、
    う蝕になりにくい歯面を形成する。

     

    ☆フッ化物局所応用の種類と特徴
    00.bmp
    ・リン酸酸性のナトリウム(APF)溶液
    →酸性のため、チタンなどの金属に対して腐食性がある。
    ・フッ化ナトリウム
    →無味、無臭、無色の中性液体。
    ・フッ化第一スズ
    →渋みがある。
    歯肉や粘膜に付着すると、白斑を生じたり、塗布後、日が経つと、歯面に褐色の
    着色を生じる場合がある。(唾液に含まれる硫黄とスズイオンが反応したため)

     

    ひろ矯正歯科では・・・
    歯面塗布剤:フルオールゼリー(濃度2%のフッ化ナトリウム)
    少し酸味と甘みがある。
    歯磨材:メルサージュクリアジェル(アップルミント味)
    フッ化ナトリウム使用(950ppm)
    税込 735円

     

    ☆口腔内のフッ化物残留量
    01.bmp

     

    歯磨材は、使用量に対する残留量の割合が、30%と1番多いですが、使用量が少ないので、
    残留したフッ化物量は、他に比べて少ないことがわかる。

     

    ☆フッ化物の中毒量
    フッ素は、う蝕予防の効果があるが、他の全ての薬物と同様に、その使用方法を誤ると、
    人体に害を及ぼす毒性をも併せもっている。
    ・症状が現れる最少量:2mgF/kg
    (初期の中毒症状:吐き気、腹痛、下痢などの胃腸症状やダラダラ唾液が出る)
    ・治療、入院などの処置を必要とする量:5mgF/kg
    ・命に差し障りのある最小量:74~74mgF/kg

     

    ※医院で販売しているクリアジェルでは、どのくらいの量で症状が現れるか計算してみました!
    クリアジェルは60g入りで950ppmなので・・・1本の中に57mgのフッ化物が含まれてる。
    50kgの成人、15kgの子供の場合・・・
    初期症状が現れる:成人→100mgF(クリアジェル約2本分、約240回分)
    子供→30mgF(約半本分、約63回分)
    入院や治療が必要:成人→250mgF(約4本分)
    子供→75mgF(約1本分)
    命にかかわる:成人→3550~3700mgF(約62~64本分)
    子供→1065~1110mgF(約18~19本分)
    ◎上記は、一度に摂取した場合の量です◎
    1.bmp

     

    Q.歯のフッ素症(斑状歯)とは??
    ・歯の石灰化期(6ヶ月~5歳くらい)における長期的なフッ素の過剰摂取による生じる
    エナメル質の形成不全症。
    ・歯の表面に白または茶褐色の斑点や縞模様が生じる。
    ・軽度のものは歯の表面に白濁として認められ、重度のものはエナメル質表面の溝状や
    階段状の実質欠損として認められる。      
    3.JPG

     

    Q.骨硬化症とは??
    ・骨にフッ素が沈着して骨が硬化するもの。(骨の石灰化)
    ・現在認められている骨硬化症のうち、フッ素が原因で生じたものを識別して“骨フッ素症”
    と呼ぶ。
    ・軽度のものはX線写真上において、骨の不透過像がはっきりわかる程度だが、さらに進行
    すると、靭帯にも石灰化が認められ、骨の異常突出(骨隆起)や外骨症などが起こる。

     

    ☆多量に誤飲してしまった時の救急処置
    2.bmp

     

    1度に数回分飲み込んでしまい、胃腸症状が気になる場合は、牛乳を飲むのも効果的。
    牛乳に含まれるカルシウムと体内のフッ素が結合して、不溶性のフッ化カルシウムという
    無毒の物質になることで、胃からの吸収を押さえ、フッ素中毒を防ぐことができる。

     

    <参考文献>
    ・「フッ素で健康づくりーむし歯予防に関するフッ素の正しい理解とその一般的な使い方ー」
    2000年11月8日 第1版 第1刷 発行  砂書房
    ・「だれにでもできる 小さな努力で 確かな効果ーう蝕予防とフッ化物の応用ー」
    2001年11月8日 第1版 第1刷 発行  砂書房
    ・「フッ化物ではじめるむし歯予防」
    2002年11月10日 第1版第1刷 発行  医歯薬出版株式会社
    ・「これからのむし歯予防ーわかりやすいフッ素の応用とひろめかたー」
    1993年11月15日 第1版 第1刷 発行  株式会社 学建書院
    ・「日本におけるフッ化物製剤ーフッ化物応用の過去・現在・未来ー」
    2004年9月17日 第1版 第7刷 発行  財団法人 口腔保健協会

     

     

  • 2008/11/12

    ~口内炎~

    こんにちは! 歯科衛生士の mizです。
    11月7日の院内勉強会では、口内炎について調べ、発表しました。

     

    装置が付いている患者さんは、口内炎ができた経験があるかもしれません。そうでなくても、頻繁に口内炎ができやすい方もいると思います。
    つらい痛みがある口内炎・・・できる原因や対処方法について、お話したいと思います。

     

    1.口内炎とは??
    口腔粘膜や軟組織に起こる炎症の総称
    様々な要因によって、口腔粘膜・口唇などに出現する
    *特定の部位に限局された炎症は、それぞれの部位の名称で呼ばれる
    ・歯肉炎
    ・舌炎⇒舌の先:舌尖 や 舌の縁:舌縁 にできる
    広義の口内炎
    ・口唇炎
    ・口角炎
    ・(狭義の)口内炎⇒頬粘膜、口唇の内側などにできる

     

    2.口内炎の種類
    ☆アフタ性口内炎
    20081011171033280_0001-1.JPG

     

    一般的に“口内炎”と言われる。類円形の小潰瘍(2~10mm)
    潰瘍の表面は灰色~黄白色の膜で被覆されている
    潰瘍の周囲は赤く、有痛性。1~2週間で治癒 
    *再発性アフタ⇒絶えずアフタができているもの、又は1~3ヵ月毎再発を繰り返すもの
    *多発性アフタ⇒1度にいくつもできるアフタ
    *ベトナーアフタ⇒新生児・乳児の上アゴにできる。乳首が口に合わないことでおきる。

     

    ☆潰瘍性口内炎 20081011170641378_0001-2.JPG
    大きくえぐれた組織の欠損がおこり、激痛がある
    *褥瘡(じょくそう)性潰瘍⇒義歯や虫歯で欠けた歯などで刺激され潰瘍ができる
    *リガ・フェーデ病⇒新生児や乳児が、生えてきた下の前歯で舌の裏側に潰瘍ができる
    *急性壊死性潰瘍性口内炎⇒歯周ポケットなどに存在する菌が過剰増殖し、口腔内全体に
    壊死が広がり、出血があり膿がでる。不潔な口腔内や過労が誘因になることが多い

     

    ☆紅斑性口内炎・びらん性口内炎
    紅斑・・・赤くまだらな炎症が広範囲にわたり広がる
    びらん・・・潰瘍よりも浅い状態、ただれた炎症
    *金属アレルギー(紅斑)⇒口腔内のつめものや、矯正の装置・ワイヤーなどに反応する
    *口角炎(びらん)⇒糖尿病・貧血でも起こりうる

     

    ☆疱疹性口内炎
    小水疱を伴うもの。水疱が破れて、びらん→潰瘍へ移行する場合が多い
    *ヘルペス⇒ヘルペスウィルスの感染によりおこり、口唇に好発
    最近、ヘルペス治療薬が薬局で購入できるようになったが、別の病気の
    可能性や、悪化防止のため、薬剤師の方と相談して購入することが望ましい。

     

    ☆口腔カンジタ症
    --2.JPG
    口腔内に生息する、カンジタ・アルビカンス菌(真菌:カビの一種)などにより、体力の
    ない方・免疫力のない方・過労の方・著しく不潔な口腔内で菌が過剰増殖し、粘膜上に
    紅斑や白色の膜が見られる

     

    ★★口内炎は、他の病気のシグナルになっていることもあります!!★★
    装置やワイヤーが当たって、舌や頬が痛い時は我慢せずスタッフに伝えてくださいね☆ 
    また、口内炎がなかなか治らない・大きさが気になる・・・など、不安なことも遠慮なくご相談ください!

     

    3.口内炎の症状 
    ・疼痛、熱感
    ・摂食困難、会話困難
    ・食欲減退
    ・口臭
    ・全身倦怠感(だるさ)、発熱
    ・顎下リンパ節の圧痛、腫れ

     

    4.口内炎の原因
    <原因がはっきりしているもの>
    ・ウィルス、細菌(ヘルペス、真菌など)
    ・疾病(自己免疫疾患:ベーチェット病、全身性エリテマトーデスなど)
    ・化学療法、放射線療法(抗ガン剤、抗生物質、ガンの放射線治療)
    ・アレルギー(金属、薬物など)
    ・常に刺激されているものがある(矯正の装置:特に裏側、義歯、不適合なかぶせもの)

     

    <原因と考えられているもの>
    ・体調(過労、ストレス、睡眠不足、カゼ、胃腸障害)
    ・咬傷、熱傷(咬んだ傷や、やけどからアフタへと移行することがある)
    ・嗜好品(多量の飲酒・喫煙、香辛料など刺激物の過剰摂取)
    ・女性の性周期(生理前後や出産、ホルモンバランスの乱れなど)
    ・口腔内不潔(誘因となる 又は 悪化させる原因になる)

     

    最近、口内炎がよくできる・・・と感じている方、疲れがたまっていませんか??   時間がある時は、ゆっくりと体を休めてくださいね☆

     

    5.治療方法
    ☆★まずは、刺激しているもの・原因となっているものに対して、処置をします★☆
    ⇒義歯を削る・歯を削る・金属の除去をする など
    ひろ矯正歯科では??
    装置が当たって痛いとき、シリコンをつけて頂いたり、レジンでくるんでいます。
    ワイヤーが頬や舌に刺さって痛い時は、カットしたり曲げて痛くないようにします。

     

    ☆薬物療法
    ①全身投与
    <点滴>抗菌剤・糖質を含む輸液など⇒急性症状の強い時
    <内服>抗菌剤・ステロイド剤など⇒慢性的な症状が続いている時

     

    ②局所投与
    <含嗽剤:うがい薬>
    ・ポピドンヨード・・・イソジンガーグル(市販品あり)
    ・塩化ベンゼトニウム・・・ネオステリングリーン
    ・アズレンスルホン酸ナトリウム・・・アズレン水溶液(市販品あり)
    ⇒水で薄め、1日数回うがいする
    <トローチ剤>
    ・アズレンスルホン酸ナトリウム・・・アズノールST
    ⇒1日数回(3~4回)上唇と歯ぐきの間に錠剤を挿入し、溶解する。
    <塗布剤:歯科用軟膏>
    ・ステロイド剤・・・口腔用ケナログ・アフタゾロン(市販品あり)
    ・抗菌剤・・・歯科用テトラサイクリンパスタ
    ・抗真菌剤・・・フロリードゲル→カンジタ症
    ・抗ウィルス剤・・・アラセナー軟膏→帯状疱疹
    ・麻酔剤・・・キシロカイン軟膏→接触痛がひどいとき
    ⇒1日数回(3~4回)患部に塗布する

     

    ステロイド剤は良いもの??
    ステロイドとは、体内で作られるホルモンです。炎症を抑える作用があり、体内で様々な
    ことに役立っています。それを人工的に合成したものを、“ステロイド剤”と言います。
    市販品は、『ステロイド剤』と明記してあるものは少なく、『合成副腎皮質ホルモン剤』
    と表示してあるものが多いです。抗炎症作用としてはとてもよく効くのですが、長期的に
    使うことや多量に使うことで、副作用があることも知られています。口腔内でも、口内炎が
    できた時にむやみに使用することで、逆にヘルペスになったりカンジタ症になることが
    あります。
    ステロイド剤を使用する際は、充分に注意してください。また、何かわからないことや、
    不安なことがあれば、スタッフにご相談ください!

     

    <貼付薬>
    ・付着錠剤型・・・アフタッチ(ステロイド剤、錠剤が厚みを持っているのですぐ取れる)
    ・フィルム型・・・大正製薬口内炎パッチA(非ステロイド剤)          
    『口内炎パッチ』 生薬として使われている“ムラサキ”という植物の根から抽出された
    シコンエキスを配合。シコンエキスには、抗炎症作用や、創傷治癒の促進作用、殺菌作用
    があり、傷口の治りを早める。フィルム状でしっかりと患部に密着し、舌や頬が動いても
    はがれにくい!
    私はこのパッチを貼ると、1~2日でほとんど痛みがなくなります☆
    ⇒1日数回(1~4回)患部を覆うように貼る

     

    <噴霧剤>
    ・ステロイド剤・・・サルコート
    ・表面麻酔剤・・・キシロカインスプレー→痛みの軽減として
    ⇒広範囲にわたり多数発生した口内炎や、咽頭近くで軟膏などの塗布が困難な
    部位に噴霧する

     

    <その他>
    ・レーザー治療・・・接触痛が強い時など、患部にレーザーを照射し焼く
    ・サホライド(虫歯の進行止めの薬)塗布・・・口内炎に直接塗布する
    ⇒効果がなかったり、悪化させてしまうことがあるので、充分な説明を聞いてから
    治療を受けましょう。

     

    ☆栄養管理(摂食指導)
    ・刺激のある味(酸味・辛味・塩分の強い味)を避け、必要ならばおかゆなどを食べる
    ・普段からバランスの良い食事を!
    ・サプリメントから摂るよりも、なるべく食物から栄養を摂りましょう!
    ★☆口内炎に良いとされているビタミンは?☆★
    ①ビタミンB2(皮膚や粘膜のビタミン)
    ⇒豊富な食材 レバー・鶏卵・納豆・ほうれん草 など
    ②ビタミンB6(免疫力を高めるビタミン)
    ⇒豊富な食材 魚類・肉類・落花生・さつまいも など

     

    口腔内の清潔あってこそ、予防や早期治癒につながります!!!

     

    私も矯正装置を入れていた時には、口内炎ができました。装置が入っていない今でも
    口内炎ができやすいのですが、普段の食生活から気をつけて、休養もとりながら、
    過ごしていきたいと思います。
    みなさんも、それぞれの生活リズムがありますが、食生活に気を配りながら、
    時にはゆったりとお過ごしください♪
    治療中 何か心配なことがあるときは、遠慮せずにご相談くださいね!

     

    <<参考文献>>
    『口内炎・口腔乾燥症の正しい口腔ケア』南雲 正男著 医療ジャーナル社発行 2001年
    『顎口腔外科診断診療大系』  内田 安信 他著 講談社発行 1991年
    『標準口腔外科学第3版』  野間 弘康 他著  医学書院発行 2004年
    『栄養指導・生化学』 全国歯科衛生士教育協議会編集  医歯薬出版株式会社 1992年

     

     

  • 2008/10/11

    歯科衛生士研修会

    みなさん、こんにちは!! 歯科衛生士のmizです。
    今回は、7月26-27日に行われた歯科衛生士研修会の事を御紹介したいと思います。

     

    現在、歯科衛生士になるためには、専門の養成機関で2年間 (又は 3年間)学んだ後、国家試験に合格すると資格が得られます。その修業年数について、《平成22年4月1日までに、全国すべての養成機関での修業年数を3年間に統一する》ことが決定しました。 それに伴い、学ぶ内容が多くなり、社会から求められている“歯科衛生士の役割”も、より高齢化社会に対応するものになってきています。

     

    そこで、すでに資格を得ている歯科衛生士も介護や口腔ケアの視点で多くの知識を増やそう! と、研修会が行われました。一見、矯正歯科と介護???と共通点がないように思われますが・・・

     

    “偏った知識ではなく、患者さんからの様々な問いに答えたり、自分自身の家族や周りの人に
    何かあった時、実践できるように” と思い、参加しました。

     

    私は主に《介護予防 》についてのお話をまとめますので、みなさんが介護について少しでも興味を持つきっかけになるといいな!と思っています。

     

    ☆★介護予防と口腔機能の向上★☆

     

    <介護の実態・過去/現在/未来>
    =過去=
    ・床ずれができて皮膚に穴が開き、骨が露出しても放置される
    ・老人ホームなどの入所者全員、男女の区別なく扱われる・・・入浴時には裸で順番待ち
    ・何ヶ月も入れ歯を洗わず、入れっぱなしにされる

    個人を尊重していない、“モノ”として扱うようなずさんな介護でした。

     

    =現在=
    ・2000年介護保険導入とともに、介護サービスの質・量・理念が劇的に変化!
    ・施設やサービスも増え、要介護者1人1人に温度のある介護が行われるようになってきている

     

    =未来=
    ・2015年には、介護保険受給者が650万人にのぼると言われている
    ・2050年には、65歳以上の方が人口の40%を超えるとの予測
    ↓ ・・・そこで、
    介護保険制度の充実に加え、要介護になる前に“予防”をしよう!
    という考え方が重視されてきています。

     

    <介護予防とは???>
    ・要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと
    ・要介護になっても、その悪化をできる限り防ぐこと

     

    =具体的な予防策=
    1.運動器の機能向上支援→転倒・骨折予防教室
    2.栄養改善→栄養指導
    3.口腔機能の向上支援→☆歯科衛生士が深く関わってくる☆
    4.認知症予防支援
    5.うつ予防支援
    6.閉じこもり予防支援

     

    <口腔機能の向上支援>
    ・“口腔機能の向上”をわかりやすく言うと・・・

    口の中をできる範囲で清潔に保てるよう、直接的 又は 間接的に関わっていくこと。
    それに加えて、歯を磨くことだけではなく、舌や頬の力をつけるように、
    “食べる・飲み込む”の機能が上手く働くように手助けをすること。

     

    **口の中が汚れていると、どうなるの???**
    口の中には、普段から様々な菌が住んでいます。
    歯磨きが上手くできない方、自分で磨けない方の口の中では、もっとたくさんの菌が増え
    てしまいます。体力や免疫力のないお年寄りの方などが、うまく食べ物を飲み込めない時、
    本来食道に入るべきものが、誤って肺に入ってしまい、肺炎を起こすことがあります。
    これを、誤嚥性(ごえんせい)肺炎と言います。 この時、口の中の菌も一緒に入って
    しまい、その菌によって症状が重くなり、死に至ってしまうことがあります。65歳以上の
    要介護者死亡原因トップは・・・なんと肺炎なのです!
    こうした重篤な肺炎を防ぐためにも、口の中を清潔にしておくことが必要ですね♪

     

    <実際には何をしているの??>
    ・主にデイケアセンターなどでは、高齢者自身が“やってみよう!”と思えるような
    簡単な方法で、楽しみながら自分の口の中に興味を持ってもらっている様です。
    ↓ ・・・例えば
    自分の口の中はどんな状態? 舌で歯を触ってみる(ツルツル?ヌルヌル?ザラザラ?)
    30秒間で何回“ごっくん”できますか? 嚥下機能の運動
    風船を膨らませる/吹き矢を吹く ゲーム感覚で頬や唇の力つける

     

    =歯科衛生士が行っていること=
    様々な清掃用具を使って、歯垢や舌苔(ぜったい:舌につく汚れ)を除去する
    スポンジの付いた介護用のブラシで、口の中の粘膜を刺激し、唾液の分泌を促す
    歯ブラシや、電動歯ブラシを使って、頬や舌を刺激する

    特別なものではなく、普段使っているものを利用して行っています。

     

    <口腔ケア=歯科衛生士!?>
    ・要介護者の口腔ケアに携わっているのは、歯科衛生士が一番多いかと言うと、実はそうでは
    ないのが実状。訪問診療や病院・施設に従事する歯科衛生士が増えてきてはいるものの、
    実際には、看護士や介護職員の方が行っていることが多い
    ・歯科医師・歯科衛生士は口腔ケアのプロとして、自ら口腔清掃に携わることはもちろん、
    看護士や介護職員、理学療法士など、多職種とも連携して、口腔機能向上に取り組めるよう
    に協力していきましょう、という社会的な動きになっている

     

    <高齢化社会に向けて・・・>
    要介護者の“口の中の状態”は、身体の不調に比べると比較的軽視されがちですが、
    = 口は災いのもと = (少し違いますが・・・?)です。
    口の中の菌によって、全身にも関係することがあるのですから、大きな問題として認識し、
    体は元気でも、口は寝たきりにならないように、
    要介護者を診る方全員が、口の中に興味を持ってもらいたい!と感じました。

     

    今回お話を聞いた講師の先生方は・・・
    ★『要介護高齢者に対する専門的口腔ケアの科学と実践
    ~介護予防と口腔機能向上支援・歯科衛生士の在り方~』
    日本大学歯学部 摂食機能療法学講座 植田 耕一郎先生

     

    ★『介護予防=口腔機能の向上=における歯科衛生士の役割』
    神奈川県茅ヶ崎保健福祉事業所     北原 稔先生

     

    貴重な講義をありがとうございました!!

     

     

    求人情報: 
    ひろ矯正歯科では、歯科衛生士を募集しています。
    興味のある方は、お気軽にメール<info@mienai.com> 
    或いはお電話 0263-54-6622 ください。
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